[携帯モード] [URL送信]
常識抜きの襲撃と対処
先程のような依頼者しか押し掛けてきていない。無論断っている。月に手が届く筈も無い。触れようとした所で撃ち落とされるだろう。
対処法を練る前にそれすら月は見ている、出来上がる前に壊されてしまう。全くもって素晴らしい兵器だ。

「…ちょっと外に出掛けてきます」

受ける依頼も無く、敢えて散歩で暇を潰そうと考えてイセラさんに伝えた。
同伴云々は必要無いと知らせるためズボンのポケットに手を添える。中には銃が。

「……門限過ぎたら探しに行くからな」
「では、行ってきます……」

扉を開けて最初に目に入るのは月。日も落ちていないまだ明るい時、相当目立って見えていた。


成る程、散歩は正解だ。仮に自分が死亡済という事になっていると知る人も仕方無いな、と納得してくれそうな街並みで。
襲撃されてあちこち壊されている店舗が増え、壁には「世界を救うのは………」「今世界は………」と綺麗な言葉が書かれている。
商店街でも人影がほぼ完全に消え去った。と思えば数人の集団が此方に向かって走ってきている。

「金出せこらぁっ!」

街中だというのに何故か追い剥ぎだった。用心してあまり使わないため懐具合は上場で、少し贅沢に逃げる事にする。

「……………」
「お……おぉぉっ!」

態とこぼして地面に落としながら金の詰まった小袋を思いきり放り投げる。予想よりも距離が離れてない。独特な音が響いたかと思えば、
追い剥ぎ達が落ちた袋を狙い真っ先に走っていき、自分はそんな後ろ姿を見て真っ先に駆け出す。
無防備な後ろ姿を撃ち抜いても良いのだが、そこまではする必要が無い気がしたのでひたすらに逃げた。


「……………」

どうやら便利屋から近い区域が一番荒れている地域らしい。走って息を整え歩いていると疎らに人影が見えるように。
宗教の勧誘をしている人、面倒臭そうにしてそれを受けている人、喫茶店を覗いてみても閑古鳥が鳴いている。

「せかいがおわるぞー!」
「させないっ、オレはメメメ神の生まれ変わりだ!セカイをまもるぞー!」

子供が二人遊んでいるが、十分宗教に感化されていた。

[*バック][ネクスト#]

3/21ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!