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整合性抜きの街並み
「たまには散歩でもどうだ?ドミナーからお使い頼まれてるんでな……」

既にイセラさんが赤毛さんに姿を変え服を着て尋ねてきたので、快く一緒に行く事にした。



雲が多めだが太陽は隠れていない、実に過ごしやすい晴れの空。
並ぶ建物の造り以外は元いた町と変わっていなくて。よく一月半以上も自分は悪魔の元で働いけるな、と思う。

「そういえば、此所に来てから始めての外出です」
「ああ、死んだ事になってるんだったなっ……」
「万が一僕の知り合いにでも会ったら、従兄弟と誤魔化して」
「ひょぁぁぁぁぁ!」

背後から奇声、同時に赤毛さんの肩口に鉄パイプが振り下ろされ、鈍い音がしなかった。しっかりと片手はパイプを掴み、振り返らずに後ろに蹴りを繰り出す。
悪魔の蹴りを腹部に喰らった虎人は、無言でその場に踞った。

「……で、何を買いに行くんでしたっけ」
「あーと、野菜だとさ。根菜とか冬瓜とか南瓜とか」
「そこの貴方達!」

やけに通る声が隣から、赤毛さんの肩を山羊人が掴んでいた。

「今世界は破滅の時を迎えています!助かる唯一の方法は目芽々無眼女芽神に祈るのです!さぁっ、貴方達も私達と共に世界を」

振り払って胸ぐらを掴んだ上、丁度あったゴミ箱に頭から突っ込ませる。足をバタつかせているが気にせず並んで歩き続ける。

「…この前クグニエと一緒にポーカーしてたら」

大袈裟な音が辺りに響く、そこにはガラス製の扉が割れた宝石店が。
犬人と狼人の二人が店員の静止を振り切り宝石を奪い取り、最後に瓶を投げ付けた、床に落ち割れて中の液体が一気に燃え広がった。

月が増えた翌日、ある国から全世界中に知らせが届いた。あの月は我が国の兵器である、と。世界の果てまでも撃ち抜ける、と。
以前自分が見た光は試射で、街が一つ大きなクレーターと化したらしい。
その国の王は言った。我が国に従属しろ、と。だから最近慌ただしい。
とある国のとある街ではパニックに陥った住民が暴徒と化し、暴れ回ったり妙な宗教を広めたり、と酷い事になっている。
自分が今居るのが「とある国」で歩いているのが「とある街」なのだから余計質が悪かった。

[ネクスト#]

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あきゅろす。
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