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全員が直結済みで
疎らな拍手が自分を歓迎している。それに応え、深くお辞儀をした。

「んじゃあ、歓迎だパーティーだゲーム大会で負けたら一回だけ何でもやってくれないか?」
「やっぱ喰う気じゃねぇか。俺にも寄越せ」
「いやー、ここは俺が」
「俺だ。体格差分優しく……」
「………受ける?今は受けてる依頼も無いし、僕だって君を食べたくなってきたし」

………悪魔か、そうだ悪魔なんだな。
別段問題はない、負けなければ良いだけの話、でも

「……不公平なんで、僕が勝ったら何かくれませんか。如何せん手ぶらで来たので」
囚人服に靴、後はイセラさんの牙ぐらいしか持ってない。
ちゃんとした服に武器、欲を言うなら娯楽に書物やら魔具等を。

「まずは服か。俺が人に化ける時用に幾らか持ってるからやるよっ」
「どうせ燃えるもんなー。魔法は使える?」
「まったく」
「じゃあ剣とか槍とか暗殺拳法は?」
「銃を使ってました」
「だろうなー……シフカ、アレを使って貰ったらー?」

昆虫人によって竜人の名前が判明した。シフカと呼ばれた竜人がアレが何かを考え、急に立ち上がった。

「アレかぁ。返しそびれたし持ち主はやっちゃったし、何か使いたくなかったんだよな……」

呟きながら恐らく自室へ向かう。待っている最中、昆虫人の名前は何だろうなとじっと見ていると

「あ、名前聞き忘れてたなー、俺はクグニエって言うんだー。宜しくなー」

手を差し出されたので、近付いてそっと握り返す。固い。爪が予想以上に鋭い。

「で、あんたの名前はー?」
「……サイ=スロード、です…」
「ふーん。ちょっとどんな綴りかこれに書いてくれないかー?」

ペンを渡され、やけに古びた茶色い紙を差し出された。見た事がない鉤のような文字が陳列している。

「…………」
「……あ、ここに書くんだよー」

指で指し示されたところには下線が引いてあった。ちょうど名前を書く欄のような

「…って何契約しようとしてんだっ!」
イセラさん、ドミナーさん、エイサスさんの拳が同時にクグニエさんの顔に。

「……バレたかー………」

流石悪魔といったところか。

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