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実行犯達は皆等しくて
もし自分が負けたら、何だったか。悪魔だからこそ躊躇い無く自分を良いように扱うのだろう。
現時点では、七勝零敗。赤毛さんは別段表情が険しい訳ではなく、やはり楽しそうだ。

「……イカサマ一切無し、普段の勝率はまあまあだが、何故俺は勝てないんだろうなぁっ…」
「…さあ、良く分かりません……」

お互いの札を開示して、やはり自分が勝っていた。
イカサマ一切無し、普段の勝率云々より普段あまり遊ばない自分が、何でこうも勝つのだろう。

「ははっ…またかよっ。つくづく幸運だね君は…」
「……本当に幸運なら、今現在僕はここにいない気もしますが…」
「……悪魔とゲームして負け無しなんざ、滅多にいないけどなっ…」


「……少しお腹が空いてきました」
「…あー、朝食食い損なってるしな。中途半端な時間だが喰い行くかっ……」

最終結果、六十三勝零敗。
よく集中力が途切れなかったものだ。



やはり「clear-dice」の方が少し違っているのか、中心にテーブル、回りに椅子が並ぶありふれた部屋に案内される。
テーブルも椅子も木製で何となく落ち着いた色調だ。何人かが椅子に座っている。皆が興味深そうに自分を見つめていた。

「……その人間は何だ?オヤツ?」
「オヤツじゃないな、面白いヤツ、だっ……」

何か喋りかけてきたかと思えばいきなりこれだ。全員が悪魔と考えて間違いなさそうだ。

紫色の竜人は、ぱたぱた尾を振りながら自分を見ている。
着ている服がビキニパンツ一枚のみというのは、既に慣れているためあまり気にならない。

「……ドミナー、こいつ腹減ってるみたいだから何か作れ」
「あと一時間位したら昼食だから、これで持たせてくれ」

赤毛さんがドミナーと呼んだ筋肉隆々な牛人からクッキーを数枚渡された。座っているのに自分の背より高いような気がする。
下にジーンズを一枚のみ着ているが、あまり気にはならない。

「……やっぱり、そいつだったんだー、ボロ負けしたのって。リベンジ果たせた?」
「おうよ、何とか六十三戦やって無敗だ。コイツがね……」

狼を被っていた昆虫人だ。
無機質に見ながらこちらに手を振ってきたので、振り返した。

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