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共犯者は空から住処へ
こうして自分と赤毛さんは騒ぎの中から飛び出した。

「まずはは俺達の住み処に来てもら」
いきなり全身に衝撃が走った。鳥人等有翼人種対策用に高圧電流でも飛ばしていたのか。
びりびりと痛みが身体を巡る。しばらく飛んでいると痛みが消えた、が、

「痛っ…詰めが甘いのかな、俺……って大丈…………」

自分の意識が飛んだ。昔ラーツが雷を零距離で放った時と同じ様に。あの時は服に穴が開いて首筋辺りに火傷をしたのだが
………………




「……………」

確か自分は収監されていた。
ナナカギさんとやらが脱獄計画を練っていて、決行日が入った次の日だった。
それで皆手筈通りに抜け出して……自分はついてこいと言われた。
その人は昆虫みたいな外見をして、狼人の皮を被っていた。
適当に自分は魔法陣を完成させた。ラーツにあげるための。で、自分は………

目を開けると、収監所でも自室でもない部屋が広がっていた。
少なくとも薄桃色だったあの部屋よりかはずっと良い。
床も壁も落ち着いた青色で、椅子にテーブル、箪笥等が見える。
どうやら自分は寝かせられていたようで

「…お早う。ご機嫌いかがっ?」
背後で何かがもぞりと動いた。自分の頭に手らしき物が乗せられる感触。

「……比較的良好、かと」
「そりゃ良かった。全く動かなかったしな……」

答えながら振り返ってみると、赤毛さんがそこにいた。本来の姿なのか赤い山羊のような姿で、つまりは何も身に付けていない。
ぶら下がっている訳でもないのであまり気にしない事にした。

「ここは?」俺達の住み処兼隠れ家兼仕事場。案外良い場所だ」

身体を起き上がらせて、とりあえず自分の服を確認する。
少々焦げ臭さが残るがちゃんとした囚人服。どこが焼けたのかは分からないがまあよしとして。

「さて、俺が何故君を連れてきたか分かるか?」
「……飼うためですか…?」
「あ、良いなそれ。いやいや。そこまで俺は外道じゃない。腐る程そんな奴はいるが……コレだコレ」

言いながら赤毛さんはカードの束を取り出す。

「もし負けたら……分かってるな?」
「…………」

特に言う事も思い浮かばず、自分はカードに手をかけた。

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