[携帯モード] [URL送信]
誤答が無いから酷く落ち込む
「…………」
「……魔法は使えないみたいですね、
サイ=スロード君?」
「はい…駄目でしたね……」
「時間を割いてあげたというのに…」
「…申し訳ありません、先生。」

サイ=スロード──つまり自分は頭を後ろで見ていた赤い獅子人に深く下げる。

「いえ、謝らなくても結構です。ですが…」

獅子人が一呼吸置く時は、重くきつい事を話す時の癖だとは知っていた。

この教師は怒りを表に現したりはしないが、
どんなに辛辣な言葉も「一呼吸置く」だけで話してしまう。


「……貴方はこれからどうするのですか?」
「……どうしましょうか」

この先生はやたら心に刺さる話を随分長く話す。が、受け入れるしかないのが何よりも響く。

「貴方はここに入ってからずっと魔法を専攻してきました。
それは分かります、貴方はどう見ても肉弾戦には向いてませんから。
しかしながらあなたの魔力は非常に少なく、簡単な魔法も使えない。
とどのつまり貴方は頭が良いだけです。記憶力や読解力は認めます。
でもそれをどう使うのですか?
ここから学者は出せませんよ。ここはそういう所じゃありませんから。」

「………でしょうね。」

嵐のような毒舌にも、
あまり自分の心には響かなかった。
通う学校を間違えたと言うべきだろうか。

[*バック][ネクスト#]

2/18ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!