Harmony
この音を奏でることで、
私はみんなと気持ちを共有する。
そんな日々が幸せ。
私の宝物。
受験を遅めに終えた私はhomeとも呼べる場所…高校に戻った。
最後の演奏会に向けて。
「ただいま。」
「おかえり。」
みんなそれぞれの進路が決まっていた。
進学、保留状態、浪人…十人いた学年。まさに十人十色。
それぞれの夢に向かって、それぞれのペースで進んだ受験期。
受験が終わる時期はまちまちだったけれど、それはそれぞれの人生だから。
一つの目標―演奏会に向かって、一緒のペースで進む今。
パートも音も違うけれど、一緒のペース。それは奏でる曲は一緒だから。
辛い日もあった。
悔しい日もあった。
嫌になる日もあった。
でも、振り返ればすべてが楽しかった。
演奏会は成功。
この日々は、何年経ってもきっと色褪せない。
違う音を奏でて、一つのものを作り上げていた私たちの絆は、消えない。
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