在世界一號, 2 「響!!」 「…おはよー。」 今日も朝っぱらから転入生に会う。ここは寮の特別役員専用の階だ。 どうやら会長の部屋に泊まったらしい。 …なんでそんな奴泊めるの。 今までは俺しか泊めた事無いって言ってたくせに。 俺の為の防音室だってあるのに。俺の部屋もあるのに。 とか、いえるわけない。 面倒くさい。 そう思って言わないんだと、思っていたい。 いつだって本当の気持ちに向き合うことはひどく苦しい。 音楽に向き合うときのような心地よさの変わりに、胸に突き刺さるような痛みがある。 それでも何度もそれを繰り返すのは何でなのだろう。 「副会長は?」 「わかんねー!今から彬と食堂行くから、響も行くぞ!!」 「あー、ごめん、俺パス。」 「何でだよ!朝はきちんと食べないとだめだ!ほら、俺も行くから!!」 俺も行くから、何。 あんたがいるからなんて理由で俺もいくとでも思ってるの? ――かいちょーや、副会長と、同じで。 [*前へ][次へ#] [戻る] |