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3話
3話 心配

















隣に座っていたまやは立ち上がり、俺の前に立つとこういった


『それじゃぁニオイを拝見』

「いやなんでだよ」



『さっきもいったじゃないですか、それと、拝見、ではないかもですね・・・!』

「いやそーじゃなくて、つか敬語」

『ぁあぁう、すみま・・・ごめん?』

「おう」

『あー・・・俺のことを平和じまさ、静雄さ・・・静雄にならはなしてもいいん
ですけど、ここだとちょっと無理ですね・・・』

「は?」

『これだけはここで言っちゃいま・・・言うけど、』





『俺、人間じゃないんだ』







ほんとう、何度目なんだろうか





「は?」






『詳しい話は後で!もうくらくなっちゃいますしーって!夜になるからはやく探しにいかないと!』

「ああそうだなって違う」

『ああもう拉致があかない!ちょっと失礼!』

ぐいっ

「?!」





『はい、おっけー。じゃぁいってきま・・・いってくるからまっててね!』

そう言うとまやは走っていった










「やべぇ・・・」









さっき俺、なにされた?






*****







ちょっと失礼!


同時に前に引かれる身体

気をひきしめていたわけではないけれど

身長体重ともにあるほう、

目の前の少年になど、どうこうされない、できないはずだ

それよりもそのあとあったことのほうが大変なのかもしれない



大変・・・なのかはわかならいが、



ベンチから背が離れた瞬間その間にすべりこんだまやの手

両手をまわされぎゅうと力をこめられる

なんだとまやの方、つまりはまえ、少し下をみたら

俺の胸あたりに顔をうずめていた

今考えると俺のニオイをたどるため、それをかいでいたのだとわかるけれど

そのときはなにも考えられなんかできなかった

暫く、といっても実際にはほんの数秒なのだと思うが

俺には長く感じられた



やばいと思ったのは男であるまやに、どきどきしちまったこと


でもやばかった。やばいとしかいえない


今思えば中世的な顔だちだったのかもしれない



じゃ、なくて




今はそれより、あの発言



「…人間じゃない、って」




どういう意味だ?






一人公園のベンチに座り考える







が、当然答えなど分からない








それよりどこまでいったのか、とか


へんなのに絡まれてはいないかとか





…探す、ってマジで言ったんだろうか


嘘を言っている感じではなかったよな…


「…つか、帰ってくんのか。」










心配

(まだかよ)

(もしかして迷ってやがるんじゃ…)
















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あきゅろす。
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