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1話
1話 お捜し物はなんですか

















「暑いっすね」

「そうだなぁ、まぁ今日はもうねーから」

「うす」


池袋最強の男、平和島静雄はいつも以上にいらついていた

それはいつものように喧嘩を仕掛けられて、また暴力をふるってしまった
のと

あの男、折原臨也にあってしまったことがかさなったからである

いつもなら煙草でまだおさまるのだが、

どこかで落としてしまったらしい、見当たらなかった

自分で普通に行動していて、落とすならまだしも、

喧嘩か追いかけているときの激しい動きで落ちたというのなら余計にイライ
ラはつのるばかりだ。特に後方


「うぜぇ・・・」

『え?あ、ごめんなさい』


公園のベンチに座り、上を向いてぼそりとつぶやいた静雄その言葉に

くるはずのない返事がきた

前を向くと中学生くらいの帽子をかぶった少年が目の前にこっちを向いて
立っていた。

何故、とも思ったが面倒くさかったので誤っておくことにした


「・・・あ、すまねぇ独り言だ」


静雄がそう言うと少年はなにがうぜぇんですかと質問してきた

静雄は戸惑った

何故こうも自分に話しかけるのだろうか、怖くないのだろうか、それとも知
らないのだろうか


「・・・なんでそれをてめぇにいわねぇとなんだ・・・?」


これで逃げていくと思った

だが目の前のコイツはちがった




『気になったので。』





*****




『タバコ、落としちゃったんですか』


「ああ、いつもならそれでまだマシになるんだがな、買ったばっかだった
し、あーうぜぇまじうぜぇ」



気になったといったコイツに話してみた。とりあえず立ったままはどうだろう
と思ったから隣にすわってもらった

話すと、思い出してイライラしたけど、そこまでじゃなかったのが不思議だ
った

コイツは静かにきいてくれてたし、どうやら俺のことを知らないわけではな
さそうだった

俺がノミ蟲のことを言ったときに『あぁ、いつもですよね』っつってたから


でもコイツは怖がった素振りはまったくみせない、というより、みえない

不思議なヤツだ。

それに、初対面なのに話しやすい

『お金もったいないですよね』

「そうなんだよな、俺金ねぇし」


『俺、探してきますよ』


「・・・は?」

『平和島さんの落としたタバコ、探してきます』



「・・・は?」



『同じ反応されても困るんですが、』

「あ、悪ぃ」

・・・



コイツはいまなんと言った?探す?俺のどこで落としたかもわからない煙
草を?



正気なんだろうか、それとも俺から逃げる口実・・・ってわけじゃねぇ・・・よ


だがさらにコイツは言った














『俺、探し屋やってるんですよ』












俺は今日、何度この言葉をつかったのだろうか



「…は?」





お探し物はなんですか


まや(良かったらさがしてあげます)

静雄(…は?)








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