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シリーズ・短編



常に眠い目をした担任がいつもより目を見開いて現場を見ている。そして色々と察して、溜め息を吐いた。

「あー…額田、ホームルーム終わったら床を掃除しろ。んで、代わりの机が届くまでそれ使っとけ。……んな顔するな。大丈夫だ。その机はお色直ししたら戻ってくるようにするから」

一応は丸く納まった。一週間後にはあの机も戻ってきて、額田は満足そうだった。

「何であんなことしたの?」

「うちは兄弟が多いので、貧乏性なんです。使える限り使え、と教わりました」

額田に問えばそう返ってきた。どうやら、額田は天然らしい。

その後、額田に落書きなどは無駄だと分かったのか、間接的な制裁は無くなった。
直接的なものはどうか分からないが、額田はピンピンしているので大丈夫なのか?




「八穂ぉ!昼飯行くぞ!」

昼休みになると、碧海が大声で額田を呼んで、全力で嫌な顔をする額田を連れて食堂に行く。
ファンクラブの連中は「あの平凡が碧海を利用して!」だとか言っているが、あの眉間に皺を寄せて引っ張られながら歩く額田を見てよくそんなことが言えるな。

それにしても妙な図だ。
碧海は額田と手を繋いでいるが、額田に構うわけでもなく隣りの生徒会長と話している。
他には額田を睨む人と会長を羨ましがる人と談笑している人……。北設楽は相変わらず額田を見ている。

一行は食堂に着くと役員専用のスペースに向かった。碧海の隣りの席を巡ってじゃんけん大会が始まる中、額田は壁際の席に座り(どうも碧海にその席にさせられたようだ)、額田の隣りに碧海が座った。額田の前に北設楽が着こうとするが、碧海の斜め前でもあるため、咎められてじゃんけんに参加させられていた。


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あきゅろす。
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