魔女と平凡と
窓ガラスを割ってこんにちは
「おい」
「なんだ」
「なんだじゃねぇよ。お前誰だよ。しかも窓割って入ってくるし…(というか自分でその格好イタイとか思わないの?)」
「我が名はディチェル。魔女だ。窓か…そんなもの無い方がめんどくさくなくて良い」
「いやよくねぇよ。え、何お前俺にツッコミして欲しいの?…………………………魔女ぉ?(確かにそれっぽい黒いマント羽織ってるけど)」
「そうだぞ。ちなみに窓ガラスを割ってお前ん家に入ったのはただの偶然」
「迷惑な奴だな。さっさと金出して出てけ」
「やれやれワガママな人間だな」
「(誰が)」
「…わかったぞ身体で払おう。生憎人間界の紙幣硬貨は持ってないのでな」
「は?え…ちょっと何で脱いでんの(マント脱いでからわかったけど、シャツの上から分かる程デケェ)」
「なぁ」
「ぅえっ、ななな何だ!」
「鍋を用意しろ」
「…………………………は?」
「私が今から凄いもの作ってやる」
「持って来たぞ、ほら(何で俺がこんな事を…)」
「よくやった。まぁそこで見てろ」
「…………………なぁ、それなんだ」
「ティティの尻尾とガラガラの目玉、薬草と私特製毒キノコ」
「待てよ今毒って言わなかったか?あと何だその"如何にも"な素材」
「混ぜたらわかんないって」
「バカか。何か色が緑色だし」
「色の問題か。じゃ着色料をバケツごと入れるか」
「だからそうじゃねぇって」
「さっきからワガママな人間だな」
「誰が」
「ほら出来たぞ。飲め」
「ちょっと待て。何でさっき出逢ったばかりの人間を殺そうとしている」
「明日テストだろう。これでバッチリ」
「何故知っている」
「机の上に行事予定散乱してた。いいからさっさと飲めよ、うら」
「ぎゃああああああああああああああ苦……不味…おえぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「あらら人間にはアウトだったか。すまんなトゲトゲ頭の少年」
「げほっげほっ…!お前…窓割っただけでなく殺そうとするなんて!!それに俺の名前は綱吉……………アレ?」
「効果はどうだい綱吉」
「何か明日のテストの答えが頭に浮かんでくる!!!なにこれ!!」
「明日の朝〜夜までの映像だ。な、これでバッチリ」
「なんて君は良い奴なんだ!!ディチェルだっけ?窓はチャラで良いよ!」
「住むところがなくて困ってるんだが…」
「それは自分で何とかしろ」
「いいじゃねぇか。面倒見てやれよツナ」
「……リボーン(いつの間に)」
「はろー。魔女のディチェルだよ。ところでリボーンは背が小さいね。はいコレ」
「おっ、何だそれは?」
「さっき綱吉にあげようと思ってたんだけど…ほら綱吉小さいし」
「シバくぞディチェル」
「(さっきのツナを見ると…)…いや、オレは遠慮しておくぞ。チャオチャオ」
「逃げやがったなあの赤ん坊」
「という事だ綱吉。ほら飲むんだ。明日起きたら+10cmだ」
「ぐああああああああやっぱ不味…ああああああああああああああ」
「うわー…マジで伸びてる…。これ俺の5年後じゃね?」
「あ、ツナ君ーおはようっ。あれ…?何だか大きくなったね。沢山寝たのかな?何だかカッコイイね!」
「(マ…ジ…で…!!!?うはディチェル超ナイス!!!)そんな事ないよ京子ちゃんっ!」
「現金な奴ー。まぁ押し入れ確保出来たしいっか。リボーン宜しくー」
「あぁ宜しくな。そうだ、ディチェルも学校に行ってみたらどうだ?」
「学校?…人間界のは行った事がないな。ではその提案にのり行ってくる。なんか煩い教師が居たら特製ジュースで黙らしとく」
「……………あぁ(コイツ怖い)」
私と綱吉がまた逢ったのはそれから数秒後の事だった。
2010/07/14
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