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鮮血のRelease
利用




「鎖チャン、こっちにおいで」

「なに?」


廃れた裏道から移動した場所は恐らくこの男の家だろう、何処を見ても白、白、白。何とも不自然を感じるような部屋だった。
血がこびりついてる私はシャワーとシャツを借りて、(男は襲わないから安心してね、と言った)その真っ白な部屋の一部に取り込まれた。

さっき逢ったばかりなのにこの溶け込みっぷりはなんなんだろう。ふわふわしてるというか、何だかもどかしい気持ち。不思議と、嫌な感じはしなくて。"おいで"とニコニコと手招いてる白髪の男に導かれ、これまた白のソファに腰を掛けた。


「君に協力して欲しい事があるんだ」


懐からスッと何枚かの写真を取り出した。殺しの対象になる奴らかな?


ひょいと覗き込むと

私の視界が揺れた


スパァン!


写真は一瞬の内にメチャクチャに切り刻まれた。―私のワイヤーによって。紅い瞳が揺れる。ユレル。
肩で大きく息をしつつ心を落ち着かせる。

何でコイツ等の写真をこの男が…?

ギロッと睨むと男の瞳の奥がキュルリと鋭く笑った。その瞳は、心底嬉しそうで。


「この子達、僕らミルフィオーレの邪魔をするんだ。…ねぇ、鎖チャン。やっつけてくれない?」


ミルフィオーレって…たしか新進気鋭のジェッソとボンゴレと同等の歴史を持つジッリョネロが合併して出来た所だっけ?
フリーだった頃は情報が手に入りやすかった。


「んでさっき写真に写ってた奴らは全員ボンゴレ。鎖チャンはあの子達に因縁があるんじゃないの?」


あるよ

あの頃は力がなくて無抵抗。
悔しくて悔しくて。

でも

その悔しさが今の私を作り上げた


「…コイツ等の情報は全部渡してね」

「勿論だよ」


私がそう言うと男はとても嬉しそうに笑った。コイツ等を潰すことがこの男の望みでもあるし、なにより私の望みでもある。
まさか今日、探してる奴等の名前を聞くことが出来るとは思わなかった。


「…今日はもう朝日が昇ってるね。少し休んだら僕らミルフィオーレの本拠地に行こうか」


沢田綱吉率いるボンゴレ…。

私が昔受けた屈辱を倍返しにしてあげる





骨まで切り刻んであげるから覚悟してね





2010/05/25


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