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Rire-
旅出
いつのまにか外では雨が降り出し強い風が窓を揺らす。
その音は彼の小さい声を掻き消し、残りわずかな残り火でさえ残さないといったように吹き荒れている。

彼は話し終えると懐から小さい紙切れを取り出した。
「…君が生きて帰ったらこの手紙を妻に渡してほしい」
彼の手には多少血で汚れてはいるが確かに手紙があった。しかしそれを俺に託すということは彼はもう…
「あなたが生きて帰って…」
「…それはできないよ」
俺の言葉をさえぎりきっぱりとただ一言った。
…わかっている。
彼はもう死ぬ。
ついこの間までバイトを探していた世間の一般的な若者の俺でも彼の状態は今生きているのも不思議なほどだろう。
ただ自分にかかった世界を背負う責任を認めるのがこわかった。
「はい」
俺は手紙を受け取った。
手紙には彼の暖かさは残っていない。

俺は決意した


俺はこの部屋にあった地図と銃を手に入れ、港にまだ船がありそれで逃げられること少女がまだいきているかもしれないということを教わり彼と最後の会話を交わした。

ただ一言

「必ずこの手紙を渡します」

俺はドアノブにてをかけた。
後ろは向かない。

ガチャ

注意して外を見てみたが誰もいない。


俺は地図を見ながらはしりだした

ーーーーーー

「お前らが俺の死神か…」

周りにはついこの前まだ仲間だったモノが蠢き荒い息づきいをたて男を見る。

「お前は石上か?それとも佐竹か?」

彼の問いに答えることもなくジリジリとその距離を縮める。

「…そっか。悪いな、俺はお前を元に戻せねーよ。ただ希望はもう走りだしたんだ。安心しろ。」

異型のモノは男の目の前まで迫る。
息が男の髪を乱す。

「元に戻せねーけどよ…
せめてあっちにはいかせてやるよ。」

そういうと男は力のない手をゆっくりと腰に回し…

キンッ!!


ドンッ!!






―――――――――
Novel Line
携帯ぽけっと書房
∈オリジ裏小説同盟∋
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あきゅろす。
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