Rire- 少女 (BY.ケイ) 突如現れた謎の白い少女は、磔にされていた私を助けた。 ちょうど見張りも離れていた時間。騒ぎなどにはならず、私はその白い少女に連れられ、容易に血なまぐさい独房から逃げ出すことに成功した。 独房から出ても、辺りからは血の臭いが絶えず漂っており、私は嘔吐感におそわれた。 私は鼻をつまんで臭いを我慢していたが、少女の方は表情すら変わっていなかった。まるで嗅覚がマヒしているようだった。 だが今はそんなことはどうでもいい。彼女は何者なのか。それが知りたい。 私はゆっくりと口を開いた。 「君は……一体何者なんだ」 衰弱した私の声が小さすぎたのか、無視しているのかはわからなかったが、少女は何も言わずに歩き続けた。 私はそれに黙ってついていった。 地下はかなり入り組んでいるようだった。長い時間歩いているが、なかなか出口には辿り着かない。 朦朧とする意識の中、思ったのは仲間のことだった。 なぜ俺達は磔にされたのか 連れて行かれた仲間はどうなったのか なぜ石上はあんな姿にされたのか この施設で今、何が起こっているのか 数日前から消えていっている研究員達も同じめにあっているのか 彼らの最終目的はなんなのか ――――――――― Novel Line 携帯ぽけっと書房 ∈オリジ裏小説同盟∋ 感想を書く 小説を投稿する [前へ][次へ] [戻る] |