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Rire-
過去と真実(神楽andユースケ)
「私はかつて・・・・・・ここの研究員だった・・・・・・」

そういうと彼はこの研究所の真実を話し出した。

ーー2週間前ーーー

この研究所はもともとは癌や病原菌の調査の手め擁立された民事の独立した機関だったらしい。

しかし思うようにうまくいかず閉鎖も決まりかけた頃…

若い男がこの施設に姿を見せるようになっていった。

そしてその男が本格的にこの研究所に配属された。

「神谷薫です。今日からこの施設の代理責任者となりました」

短い紹介だった。
年は20代前半、髪は後ろで束ねその風貌はいかんぜん最近の若者らしくなかった。

必要異常の情報は与えず、神谷は紹介が終わるとすぐに自室に立てこもった。

その後3日、彼の姿を見たものは無かった。

ーーー1週間前ーーー


「ん?石上、どこへ行くんだ?」

私が声をかけたのはここに配属されてきたときからの親友だった。

「後数日で任期が切れるからな。代理にちょっと挨拶をな。」

ここの勤務は約1〜2年。彼は私が来た時にはもう一年はここでいるといっていた。

「おめでとう。私はまだ半年だからなまだしばらくはここだな。」

「そうだな。がんばれよ。ここには電話や手紙などの連絡系統は遮断されてるからな。海の向こうで君のがんばりを妻と願うよ。」

すると彼は私に一本のペンを渡した。

「お守りだよ。研究がうまくいくようにな。俺はもう一本持ってるからな。やるよ。」

彼はそういって代理のところへ行った。

そして私に一礼することも無くこの施設から去っていった。

彼が抜けた後をうめる人材が見つからなかったのか彼のいた部屋に人気が灯ることは無かった。

ーーー3日前ーーー

人が減ってきている。
私がそう気づいたのは必然なことだった。
任期を終えようとしている人、そうでない人かかわらず、研究が進められない程人員が欠如していた。

ここが閉鎖してしますのか心配になった私は私を含む研究員数人はその真相を聞くため代理の元へ向かった。

コンコン

返事は無かった。
鍵は開いている

「失礼します」

私が中に入るとそこには異様な光景が広がっていた。
回り一面が赤かった。天井も絨毯も。
私は代理は知能障害なのかと思った。

すると終端の端にペンが落ちていた。

石上のものだった。

私は異様な不安に襲われ、絨毯を引っぺがした。するとそこには大量の血痕が残されていた。

「こりゃ、一人の血じゃないぞ…ところどころ血痕の変色が違っている。」

私の隣にいた研究員が呟いた。
私も彼に同意の意見だった。
しかし私は石上は生きているのか自体が気になっていた。

「おい!こっち見ろよ!階段があるぞ!」

私の後ろにいた研究員の一人が叫ぶ。

そこには人目はばかる様に、しかしあからさまに杜撰な隠され方をしていた石の階段が一人の研究員によって露骨にさらけ出されていた。

「何だよこれ…」

この雰囲気に気圧されまた混乱による感情の操作ができなくなった若い研究員が呟いた。

「普通じゃね−四これ!俺は絶対に行かないぞ!もう任期も切れるんだからな。」

「任期の切れた石上のペンが落ちていたんだ。任期が切れたからといってここを抜け出せると言うわけじゃないかもしれない。」

私がそういうと彼は黙り、何かを言おうとしているのだろうが言葉が見つからず、そして沈黙を続けた。

「降り…るのか?」

一人の研究員が質問した。私にじゃ無くその場にいた全員にだ。

「降りよう」

さっきまで黙っていた研究員が呟いた。

「ここで引き下がっても気になって研究なんてできないだろうし、意味の分からない場所の研究に加わりたくない」

彼のやっと見つけた言葉はその場全員の考えと一致しまた、皆これに同意し私を先頭に階段を下りた。

ーーーーーーーーーー

階段はしっかりしたつくりで後から増築されたものでないことを証明していた。
つまりこの施設は擁立当時からここで人目から避けたい研究をすることを予定したいたのだ。

階段は長く、薄暗く、下へ下へと続いていた。

長い時間をかけて階段を下ると周りの照明とは違う明かりが見えて来た。

階段の最下層には一つの扉がありそこから光が漏れていた。

うあぁあぁあぁ〜

突然中から人ではない何かのうめき声が聞こえた。

私は扉を開きのをためらったが後ろを見ると仲間たちがこちらを見ていた。

何か分からない何かがある。
しかしこれに私たちは少なからず関わっている。
何があろうと私たちは真相を知る権利がある。

そして私は扉を開けた。

ーーーーーーーーーー

気が付くと私は磔になっていた。目の前には階段よりも暗く、そして独房にはない嗚咽を吐く異臭が漂っていた。

私が最後に見た光景。

それは、同じく貼り付けにされた石上の姿だった。

しかしそれは以前の石上の姿ではなかった。

半身は異様なほどに膨れ上がり髪も抜けて足は腐れ落ち、理性なども無くただ叫んでいた。

そうあの叫び声は石上の声だったのだ。

その直後最後尾にいた仲間が一人いなくなっていたことに気づいた。

探すことは無かった、いやその間さえなかった。地下室の奥…いや近くかもしれない。

ぎゃあぁあぁーーー!!!

私に、皆に階段を下ることを促した彼の悲鳴だった。

その直後、何か肉を貪る様な、そんな音が地下室に反響していた。


お母さんに会いたい


そう思った。

ーーーーーーーーーー

磔にされ何日たっただろうか?
私と同じように磔にされた友は皆連れて行かれた。

私に抵抗することはできなかった。
そして彼らがどうなるのだろうかさえ考えられないほど衰弱していた。

昨日、私以外の最後の仲間が連れて行かれ子の独房には私しかいなくなった。

「(今日が私の番なのだろうか…?)」

ジリリリリリーーーーー!!!

私の考えを遮るようにけたたましい警報が鳴り響いた。

私は縛られたまま。
逃げることもできない。
結局は何も変わってはいないのだ。

衰弱し舌を切ることもままならない。

眠ればこの苦しみから一時的にとはいえ抜けられる。

私は目をつぶりそして祈った。

死にたいと。

ーーーーーーーーー

いったいどれほどの時が過ぎたのだろう。

すると目を閉じたままの私の耳に合い音が聞こえてきた。


(神は私を人として死なせくれないのか。)

私は抵抗することも無くこの肢体を冥府に捧げる覚悟をした。

閉じていた目を開いた。

私を冥府へといざなう者は誰なのか。
最後にそれが知りたかった。

瞳を開けるとそこには


「白い…少女?」

がたっていた。

右手にナイフを持ち、こちらを見ている。

私は驚いたがこの際少年だろうと老人であろうとどちらでも良かった。

少女がナイフを振りかざす。

ガッチャッン!!

音とともに私は地に崩れ落ちた。

何が起こったかわからなかったが、少女が私を助けたこと、まだ生きる可能性があるということこの思いが私に活力を与えた。

私は少女とともに一歩を踏み出した。


妻と子に会いたい。


その願いのために。



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この作品は私の友達原案、神楽執筆の作品です。
次の方、お願いしま−す。




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