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小説
ある土曜日。
注釈■学園ものです。幸村と政宗は付き合い始めたばかりの初々しいカップル。また最後までいたしてなかったのですが・・・。



 ある土曜日。
 寝ぼけ眼を擦りつつリビングに入ってきた、赤い水玉のパジャマ姿の幸村は、ソファに座っている人影に声をかける。
「あ、おはよう。佐助、今日の朝ごはんは何・・・。」
ふああと大きなあくび交じりで腰の辺りをぼりぼりかいている、本当に無防備な姿を見遣った彼は・・・。
「朝ごはんって、今何時だと思ってんだよ。」
 見遣った彼は、眺めていた朝刊をテーブルに置きながら、からかい口調でそう言うと、ソファから立ち上がった。
「・・・????」
 まだ半分夢心地だった幸村は、一気に血が下がると同時に目が覚めて、体を猫みたいに逆立てると、もれなくあとずさる。
「なんで、政宗どの?佐助は?」
「佐助じゃなくて、悪かったな。わざわざ朝早くから来てやったのに。」
「えええええ?」
 驚きをリアクション芸人みたく体全体で表しながら目を何度も瞬かせる幸村の、寝癖がついてはねた後ろ髪を、政宗は人差し指にくるくると絡ませてもてあそぶ。
「朝、佐助から電話があってさ。田舎のおばあちゃんが体壊したかなんかで、急いで帰っちゃったんだな。で、家事が何も出来ないあんたを心配して、俺に連絡してきたわけ。」
「え?」
「好都合に今日も明日も部活は休みだから、俺がつきっきりで、あんたの面倒見てやるよ。」
「ええええ?」
さっきから「え」しか言えてない幸村は、壁に退路を阻まれる。
「嬉しいだろ?」
「ええええええ?」
 ぎゅっと背後から抱きすくめられて、無防備なうなじに吐息がかかる。政宗のかもし出すいつもとは違う雰囲気に、幸村の体温は脈と一緒に、一気に急上昇した。
「あ、あの・・・、ちょっと。」
 胸の辺りに、ぐわっと来るものがあって、たまらず振り返った幸村は、嬉々とした政宗の顔を見つける。
「ん?何?」
 低い声で問いかけながら、政宗は吸い寄せられるように顔を寄せると、紅く火照っている耳元にちゅっと音付きでキスをした。
「いきなりっはっ・・・。」
 聞いていないのか、政宗は、雑に互い違いにボタンを留められたパジャマの裾から手を忍ばし、きめ細かい肌の感触を確かめ始める。
「いきなりじゃねえだろ?前々からちゃんと言ってたぜ、俺は。あんたが欲しいって。」
「待ってくだっ・・・れえっ。」
 平らな胸を掌で円を描くみたいにゆるゆると撫で回されて、敏感な幸村は呼吸を乱してゆく。
「待てねえって。あんたも俺の事好きなんだろ?」
「好きですけど・・・けどっ。」
 これとそれは話が違う。
「けど、何だよ。」
「心の準備がっ・・・あんっ・・・。」
「準備準備って、どれだけ準備すりゃ気が済むんだ、よっと。」
 抵抗する幸村を無理やり米俵みたいに軽々と抱っこして先ほどまで自分が座っていた二人掛けソファまで連れて行くと、そこに仰向けにゆっくりと下ろした。
「好きだ、幸村。」
「う。」
 幸村は、大好きな政宗に見つめられて甘い声で囁かれて、もう抗う事など出来っこなかった。脱力してしまった幸村に、そのまま政宗は覆いかぶさる。
「もう、観念しろよ。」
 今の状況では顔が最大の武器になっている政宗は、その武器を近づけると、そのまま幸村のきつく閉じた唇に、自分の唇で触れた。
そのまま温かい優しい触れ合わせるだけのキス。ちゅっちゅっと軽い啄ばむ音がする。
怖がる幸村を気遣ってか、政宗の左手と幸村の右手はしっかりと繋がれている。 
「っ・・・ふ・・・。」
 幸村の顎に手を添えると、食いしばった歯列を割り、舌をするりと滑り込ませる。逃げまどう舌を絡めとり擦り合わせて、舌先で愛撫した。その間、くちゅくちゅと水音が漏れる。
「・・・っんっん・・・。」
 そのまま角度を変え、唇を貪るみたく、深く合わせながら、幸村のパジャマをはだき、右手はあらわになった肌を滑る。そして、寒暖の差からか、すでに立ち上がっている薄い桃色に色づくそれに指先で触れ、親指と人差し指で軽く摘む。
「っっ・・・あっ・・・。」
 唇を開放された瞬間、幸村の仰け反った白い喉から、甘さを含んだ甲高い声が盛大に漏れた。
「っ・・・。」
 その声が自分のものだと信じられず、顔を真っ赤にした幸村は両手で自らの口を塞ぐ。
「おい。何してんだ。」
 幸村が、口を掌で塞いだまま、首をいやいやと左右に振るたびに、髪の毛がソファに擦れる音がする。
「ふーん。」
 政宗はそのまま上体を下にずらし、生温かい口内に起ちあがった突起をいざない、軽く吸い上げた。
「っんーっんっ。」
 右手は器用に幸村のパジャマのズボンを脱がしフローリングの床に放ると、履いていたトランクスにまで手をかけ、そのまま一気に足首までおろした。
「ひああっだめっっでっ・・・。」
「あれ、なんだかんだ言って、あんたも、感じてたみたいだな。」
 政宗の視線が、そこに集中している。見られている部分が焼けるみたく熱い。笑い混じりにからかうように言われ、幸村は一番見られたくない姿を見られた羞恥心から、たまらず顔を背けた。
 あらわになったそこは、すでに完全に硬さを持って立ち上がって、切なげにプルプルと震えている。
「可愛いな、あんたのここ。ピンク色。」
 先端をピンと爪ではじかれて、鋭い刺激に、逃げ惑うみたく幸村は狭いソファで身をよじる。
「あっ・・・やっ・・・。いっあ・・・。」
 体に刺激が与えられるたびに、素直な甘い声が切れ切れに漏れる。
「そうだ、幸村。自分でやってみせろよ。」
 いたずらを思いついた顔で、政宗は幸村に言う。
「誰がっ、嫌でござるっっ。」
 即答だった。
「じゃねえと、ずっとこのままだぜ。」
「え・・・。」
「いいのか?辛くねえの?」
「やっ・・・。」
 つん、と先端の、もうすでに先走りの液が滲む穴を爪先で突っついた。
「ひあっっ・・・。」
 幸村はたまらなくて、自分の親指を前歯で跡がつくほど噛んで耐える。
「ほら、やってみせろよ。自分でいつもしているようにするだけだから。」
「・・・。」
「辛くねえの?」
 ニヤリと不適に微笑する政宗の顔に、ゾクリと、背筋を快感が駆け上がる。
 俯いた幸村は大いに悩んだが、観念したように、震える右手を、今か今かと愛撫を望んでいるそこに伸ばした。
「ふあ・・・・・・んん。」
 幸村はぎこちない手つきで、肉棒を右手でゆるゆるとしごき始めた。乳白色の液が滴り落ちて、にゅるにゅると動かす手が滑り始めた。
「あ・・・ふっ・・・。」 
 政宗にこの痴態を見られている。
 それだけで、何故かいつも以上の快感が湧いてきて、幸村の手の動きは次第に早まってゆく。
 舌なめずりな表情でそれを眺めていた政宗は、突然、自分の指を嘗めだし始めた。
「あああっ・・・んん・・。」
 政宗はその透明な唾液がしたたる自らの指を幸村の両足の間に滑り込ませると、信じられない場所に躊躇無く触れてきた。
「ええっ・・・ああっ。」
 その秘部は、幸村の肉棒から流れて落ちた精液で既に濡れそぼっている。そのぬめりも借りて、政宗は用意に指を第一間接まで入れ込むことが出来た。
「ひあっいった・・・っ。」
 突然感じた異物感と、未知の世界への恐怖感。その二つが心をガッチリと支配して幸村の体を竦ませる。
「ほら、続けるんだ。」
「ん・・・。」
 紅く熱を持った秘部はそのまま難なく、政宗の指一本、完全に飲み込んでしまった。
「あっ・・・んんん。」
 そして、政宗は容赦なく、間髪入れず二本目の指を追加する、
「だっだめっ・・・。あっあああっ・・・。」
 幸村の手の上下運動は言葉とは裏腹に、激しくなっていく。怖さよりも快感のほうが勝って、もう快楽だけを幸村は必死になって追い求める。
「駄目?こんなに下をびしゃびしゃにして?」
揶揄するみたくクッと政宗は喉で笑いながら、わざと羞恥心を煽るように、耳元に息を吹き付けつつ囁く。
 程なくして、内部はスムーズになり、二本目の指も容易に出し入れ出来てきた。
「ふあっ・・・あああんんっ・・・。」
 ぐちゅりぐちゅりと卑猥な音を立てて、指が中で縦横無尽に動き出す。
 そして、くっと中で指を折った瞬間、幸村は感じたことの無い強い刺激に、体を仰け反った。射精感が頂点に達した。
「あああっやっ・・・そこっあ・・・んん。」
「ここ?」
「だ・・めえっ・・・。」
 女性に置き換えれば、Gスポットと言われるそこを見つけ出したのだ。そこを何度も何度も執拗に角度を変えて攻め立てる。
 幸村の自分を自慰する動きも、いつのまにか両手を使うそれになり、はしたなく早まってくる。 
「あ・・・っっ、あああっ・・はあ・・・んん、いいいっ・・・。」
 喘ぎ声を堪えることさえ出来なくなってきた。限界が近いのが分かる。
幸村の視界が、生理的な涙でぼやけてくる。
「・・・あ?」
 政宗はスッと指を幸村の中から抜き取った。その異物を吐き出す刺激でさえ、ジンと体の奥が疼くのを感じ、幸村は体をビクンと振るわせる。
「もう、俺が、我慢できねえ。」
 ほう、と熱い吐息と共に感極まったように呟くと、政宗はズボンのファスナーを下ろす。その無機質な音が幸村の鼓膜に届いて、これから自分に起こる出来事に、不安と期待が入り混じった複雑な気分になる。
「力、抜いとけよ。」
 そのまま政宗は幸村のひくつく秘部に自分の十分起ちあがった肉棒をあてがい、体重をかけて中にずぶずぶ埋め込んでゆく。
「いっいたい・・・。」
 指とは比べ物にならない大きさと熱さ。体が内側から軋んでゆく猛烈な痛さに、幸村は四肢を強張らせる。
「息を、吐け。幸・・・。」
 政宗の声も苦しげで。
幸村の汗で濡れた髪を愛しげに撫でて、萎えてきていた性器に手を伸ばすと、掌でくるみゆっくりとすき始めた。
「あ・・・っま、政宗どの・・っ。」
 敏感なそこを擦られて、体の力が抜けた瞬間を狙い、政宗は幸村の両足を極限まで広げ、腰を進め、自身を一気に入れきってしまう。
「ああああっ・・・。」
 ひきつったような声を漏らし、幸村は喉を反らせて酸素を求める。奥にまで届いてしまったのか、びくんびくんと分かるほど体を奮わせながら、先走りの液を飛ばす。
 幸村の両足を腰に巻きつかせて、政宗は打ち付けるみたく、激しく前後運動を続ける。幸村の良い場所をピンポイントに執拗に狙いながら。
「ひあああ・・・、もっ、もう・・・だめえっ・・・っ。」
「く・・・っ。」
 感極まった声を出した幸村が上り詰めたと同時に内部をキュッと締め付けられ、政宗はくぐもった声を出して自分の欲望を幸村の中にそのまま注ぎ込んだ。

 ぐったりと脱力し、幸村はソファに体を預け、政宗はそのまま幸村に倒れこむみたく体重をかけた。
「ふ・・・。」
「幸村、大丈夫か?」
 頬を掌で包みながら、政宗は無理させたかと、少し心配げに幸村の顔を覗き込む。
ん、と汗まみれの顔で幸せそうに微笑み頷いて見せる幸村に、政宗は顔を近づけてキスしようとしたが。
 ぐうという盛大な、されど気の抜けた音に、政宗は阻まれてしまう。
「お腹すいたでござる〜。」
 悪びれない調子で言う幸村に、政宗は苦笑を零すしかない。
 そういや、朝ごはんもまだだっけか。朝ごはん前に幸村をいただいちゃったよ。
「じゃ、俺が作ってやるよ。」
「ホントでござるか。」途端、目を輝かせる幸村を見遣りながら、政宗はこっそりと、したり顔。
 佐助が戻ってくるまで、まだまだ時間がある。
そう、たっぷりと。
「政宗どの、大好きでござるよ〜。」
 柴犬みたく首元にじゃれついてくる幸村は、そんな政宗の計画なんて、微塵も知る由もなかった。


-おわり-


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