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小説
番外編 中篇
 ちゅぱちゅぱ水音を立てながら、角度を変えて飽きることなく何度もキスをして、同時進行で、政宗の手は、幸村のくびれた細い腰を、さわさわと、いらやしい動きで撫でまわしている。
「んんっ…、はあ…、あふう…。」
 そのむず痒い感じに、息を弾ませた幸村は、小刻みに身を捩る。幸村の敏感な肌を蹂躙する指が、そろそろと降りて行って、内太腿あたりに擦るみたいに触れただけで、幸村は泣きそうに表情を歪め、切なげに甘ったるい声を漏らす。
「あんんッッ!政宗殿…、某…もおっっ…もお…。」
 たまらず幸村は、縋るように両腕を伸ばして、政宗の首元にきつく抱きついた。応えるみたく、そんな幸村の背中を抱き寄せながら、ふと政宗は、眉根を顰めた。
「あんた、さっきから何か変だな?」
 欲情を隠そうともせず、強請るように熱っぽく見つめてくる、高熱のときみたく水分多く潤んだ瞳、そして、忙しなく太腿を擦り合わせている、幸村自身にも手が負えなくなってそうな身体。顔を近づけてスンスンと、キスのしすぎで赤く腫れぼったくなっている唇に、鼻を利かせた。きつい甘い香り。これは…。
「なんか、やばいもん、飲まされてんの?」
 やっと政宗は、幸村の違和感に気付いて、低く低く声を喉から絞り出す。
「…ううっ…こっ、これは…。」
「素直すぎ。やっぱ嘘つけねえのな、幸村。顔にはっきり書いてるぜ。媚薬か何かだろうが…。」
「そっ、それは…っ。」
 図星を指されたみたく、幸村は政宗の腕の中で慌てふためく。
「誰に飲まされた?俺にとって、それが一番問題なんだけどさ。」
 いつもは大人びている政宗が、年相応に、口を尖らせて、ちょっと不貞腐れた表情になっている。
「そっ…それは…。」
「あんたが必死に庇うやつで、こんな物騒なもの用意出来んのは、思う所、ただ1人じゃねえか。」
「…そんなっ、そんなっ佐助は…っっ!」
「やっぱ猿か…って、なーに自分から言っちまってんの?」
 ハッとした幸村は、素早い動きで自分の口を両手でむぐっと呼吸ごと抑えた。そんな可愛すぎる仕草を見せられたら、政宗は毒牙を抜かれた蛇みたく、苦笑いするしかない。ツンッと幸村のおでこをでこピン1つして。
「触られてねえの?大事なトコ。」
「ん…。」いまだ口を塞いだままの幸村は、コクンと小さく縦に頷く。
「本当に?」
「ん…。」もう一度、今度は大きめに頷いて見せた。
「分かった、あんたのこと、信じる。大事な恋人だしな。」
「…政宗殿…、某の体も心も…命も…、政宗殿だけのものでござるよ。」
「俺もだよ、幸村。」
 チュッと、政宗は幸村の唇を、音を立てて軽く啄む。
「俺も、あんただけを、愛してるから。」
「政宗殿っ…。」
 心が、チョコレートが蕩けるみたいにとろとろになって、愛しさが満杯になって張り裂けそうになって、幸村は体当たりするように、また政宗に抱きついた。
「さてと、お待たせ。」
 縋ってきた裸の幸村をそっと壊れものを扱うみたく丁寧に畳の上に寝かせて、その中心部に指をスライドさせるように這わせる。
「んんっっっ!」と幸村は息を大きく飲んで、ぎゅっと体の前で両手を掴んで、大げさに体を震わせる。
「もう、トロットロだな、ここ。指に絡んできてやっべえし…。」
「あああッ…。」
 ぐちゅりと、忙しなく収縮する蕾へ中指を付け根まで突っ込まれて、またもや幸村はひくひくっと体を麻痺させた。幸村自身が触っていたそこは、熱く火傷しそうなほど火照って、内壁は柔らかくほぐれて、政宗の指に締め上げるみたくぎゅぎゅっと絡んでくる。
「すっげえ感じすぎて、もう、我慢出来ねえんだろ?」
「あッ…ふああっ…んんっ…。」
「今日は、あんたの好きなように動けよ。」
 俺の上に跨って腰振るんだよ、と、顔を近づけて、にやりと意地悪く微笑んで言った政宗に。
「…そっ、そんな破廉恥なことっ、無理でっ…。」
 顔を真っ赤にした幸村は、今にもワッと泣き出しそうに表情を崩して、上ずった声で拒否する。
「今までの行動だって十分破廉恥だろ?外でやったりもしたし。大丈夫だって。じゃねえと、このままの状態で、ずっと可愛がってやれねえよ。それで良いのか?」
「そっ、そんな…、某、もう…。」
「いいのか?このままで。」
 柔らかい耳たぶをねっとりと舐りながら、優しく甘い声で問うてくる。
 もう実は限界点を突破していた。はやくはやくと、政宗自身を受け入れることを待ち望んでいる奥が、じんじんと熱を持って疼いている。
「早く、幸村。」
 眉をハノ字にした幸村は、とうとう促されるまま、おそるおそる政宗の腰に跨ぐと、震える指で政宗の袴の前を寛げて、そして下着をずらして、政宗自身を眼前に出した。
―――お、大きすぎる…、凶器…。
 まざまざと政宗自身を見てしまって、恐ろしくなって、ゴクリと、生唾を飲み下した。
「早く受け入れてくれねえの?」
「まっ、待って下され…、いま…。」
 政宗の大きく腫れあがった先端を、膝を立てて腰を浮かせた幸村は、そっと自分の蕾へ押し当てる。くちゅりと、滴る愛液で滑って場所が外れそうになるのを、右手で支えて、ぐぐっと力を込めて太い先端から飲み込んでゆく。
「んあッッ!!」
 ずぶずぶと内壁を割広げて、太くて硬い政宗が中に入ってきて、待ち焦がれたように内壁がそれにねっとりと絡んで、その刺激で幸村は電流が走ったかのごとき強い快感に、嬌声を迸らせる。
「あっ…んんッ…だめえっ…だめってばっ…もおっ…あんんッッ。」
「何が駄目なんだよ、勝手に腰、くねらせてるくせに…。」
 自分の体重で、全部根元まで飲み込んでしまって、背中をぞくりとさせた幸村は、ぎゅぎゅっと目を瞑って、その中心部からせり上がってくる鋭い快感をやり過ごそうとするけれど、下から緩やかに揺らされて、新たに湧き上がってくる甘辛い痺れに、体全体を真っ赤に火照らせて、泣きそうにしゃくりあげながら甘い嬌声を発する。
「んあッ…ああっ…、もおっ…ひあっあああッ…。」
「すっげえ可愛いすぎるだろ、幸村。」
「ひああッ・・もっ、やらあっ…あんんッんッ・・・。」
 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、快感に溺れてきた幸村も自ら細い腰を小刻みに、そして淫靡に蠢かせる。
「良い声でひっきりなしに啼くし。今日はとくに感じまくってるみてえだな。」
 あの猿め、どんな強い媚薬を使ったんだよ、と、薄ら恐ろしくなる。
「んあッ、ああッ…、んん…っ、ひああッ!んあッ…。」
「確か、この辺か…。」
 ぐりぐりっと奥を抉られて。
「んッ…そこっ…、こわいいっ…あんんッ!」
 途端、ゾクゾクッッと、背筋を快感が急速にかけ上がる。
「あああーッッ!やらああっ…んんっっ!!」
「ここ感じるんだろ、当たるように自分で動けよ。」
 細い腰を両側から掴まれて、下から抉るように突かれて、幸村はビクンビクンと大きく体を震わせた。
「あっ…やらあっ、もッ、あッ…ひああッ…んんっ!」
 幸村は無意識に腰を揺らして、その部分にピンポイントに当たるようにゆるゆると動き始める。
「ひあああッ…やらっ…、もおっ…、やらっ…やらああっ…。」
 体を反らせながら、幸村は淫らに速いスピードで腰を上下に振りまくる。
「すっげえ、いやらしい体だな。そそるぜ。」
 クスッと政宗は薄く微笑んで、ゆさゆさと左右非対称に揺れている、大きな白桃みたいな乳房を鷲掴む。
「あんんっ!!」
 瞬間、ひくひくっと体を震わせた幸村は、体を横断するように電流が走ったかのごとく、頭の中を真っ白にさせた。弱い乳首をくりくりっと摘ままれて、幸村はもうたまらない、と、眉間に切なげに皺を寄せて、イかせてもらえるように懇願する。
「もっ…もお…おれっ…いっちゃ…う…ああッ、んあッ…ふううっ。」
「分かった。イッていいよ。」
 政宗は、促すように両腰を両側から固定するふうに押さえつけて、下からズンズンと深く何度も何度もしつこく突き上げる。
「はあッ、あんんっ…、ああッ…。」
感じ切った声を引っ切り無しに漏らしながら、幸村は涙をほろほろと溢れさせた。
「もっ、もお、あああっ、いくっ…いっちゃうっ…、あああああーっっ!」
「くっ…。」
「あっ…んんっ…。」達した余韻に未だ体を震わせていた幸村を、畳に押し倒して、政宗は上から圧し掛かる。
「ええ?」
「まだ全然足りねえだろ?あんたも。」
「んんッ…やら…、まさむねどのお…。」
 可愛らしい、甘ったるい鼻から抜けたような声で名前を呼ばれて、政宗は酷く優しい表情で幸村を見つめると、両胸の尖りを指と舌を駆使して可愛がり始めた。
「ひああっ、まっ、まさむねどおっ…、そこはっ…それがしっ…。」
「ここ、相変わらず、弱いんだな。」
 腫れ上がっている乳首を折り曲げるみたいに刺激されて、その鋭すぎる快感に、幸村は政宗の下で、びくんびくんと体を跳ねさせる。
 そして、政宗の右指は、信じられない場所に触れてきた。先ほどから可愛がられ過ぎている秘部では無くて、その下に位置する、もう一つの最奥。
「あっ!…なんでそんなとこ…。」
「男に戻ったときは、ここに俺のを突っ込むんだよ。」
「えええっ…。」
「ついでだから、ここも開発しといてやるな。」
「むり、むりでぇっ…そんなとこッ…やらっ…、あああッ。」
 滴り落ちてきていた愛液を十分に絡ませた、ごつごつした指を、下の最奥にズズッと突っ込む。
「んんっ…。」
「ここは、きついな…。」
 誰にも先を越されてねえな、良かった、と、政宗は密かに顔を綻ばせる。
 中へぐぐっと指を押し込んで、解かすように蠢かす。
「あっ…んんっ…なんか…へんでっ…。」
 親指の爪を噛みながら、幸村は身悶えた。
「もう感じてきた?さすがに敏感な体、はええな。」
 指を忙しなく動かしながら、新たな愛液をたっぷり滴らせて、激しく収縮している秘部に、不意打ちで政宗自身を咥えこませる。付け根まで一気に奥まで入れ込んだ。
「あああッ、やああッ…あああッ。」
「同時に突かれると、どう?」
「あッ…あああっ…あふうっ…、あああっ…んあっ…ひああッ…。」
 恍惚の表情で、幸村は意味の無い嬌声を上げ続ける。
「もお良すぎて、答えられなくなったか?」
 幸村の右太腿を左肩にかけて、腰を浮かせると、斜め上から激しく突き始めた。
「こうすっと、奥まで届くだろ?」
「あふッ…ああッ…あんっ、奥っ…やだあっ…ああッ。」
―――頭の中が真っ白になる。感じすぎて、怖い。



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