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小説
その5
「じゃ、電気、消しますね。」
 自分がスイッチを押した途端、フッと灯りが消えた。目が暗闇に慣れていない政宗は、物にけつまずかないように、壁に手をついて慎重にベッドへと移動する。やっぱり気になって、携帯の仄かな灯りを頼りに、黒縁眼鏡の奥で目を凝らすと、こちらに背を向けて、こんもりとソファに山が出来ている。
「あのっ。」暗がりの中、その、ソファの上に毛布だけで包まっている背中に向かって、ためしに、と、ベッドの中から、政宗は思い切って声を張ってみる。
「あの、寒いから、良かったら、ここで一緒に寝ませんか?」
「え、えええっっ!」ガバッと上体を起こした幸村は、若干狼狽える。視力が悪いし暗くてよく見えないけれど、その張り上げられた声の質からして、きっと頬が赤くなっている。
―――ヤバイ、これでは、下心見え見えか?もう少し仲良くなってからじゃないと駄目だったか。いきなり一緒に寝ようなんて、突拍子も無かったよな。
 弱気の虫が出てきて尻込みするけれど、でも切り出してしまったからには、もう引き返せない。僅かに、必死さを見え隠れさせながら、政宗は早口で捲し立てるように告げる。
「えーっと、ほ、ほらっ、お互いに風邪ひいたらヤバイし。俺も、布団だけだと若干寒いから。あ、でも、もっとセンセの方が寒いかなと思って。」
 ソファの上できちんと正座した幸村は、政宗の言葉をじっと黙って聞いていたが。
「…あの、…その、いいんですか?」
 その遠慮がちに発せられた言葉に、えっ、と、政宗はワンテンポ反応に遅れてしまった。自分で提案しておきながら、幸村のこの中々の好反応に、まさかこんなに上手くいくとは、と、驚いてしまったからだ。
「も、勿論!」
 毛布を抱いた状態で、ちょこちょこ寄ってきた幸村に、ホント小動物みたいで可愛いなあと、庇護欲を刺激されて、またもや目尻を下げてしまう。政宗は掛け布団を捲って、自分の寝ころんでいるセミダブルのベッドに誘う。警戒心の欠片も無く、素直に幸村は政宗の隣の隙間に滑り込んできた。
―――そうだ、でも、こんなに可愛くても、相手は…。
 隣で緊張気味に息を潜めている幸村に、政宗は苦笑しつつも告げた。
「センセ、俺、年下ですよ。しかも5つも。タメ口で大丈夫ですよ。」
「なんか…、お隣さん、年下って気がしないから。」
 しかも、名前を何回も名乗っているのに、いまだに呼び名が「お隣さん」なんて余所余所しくて、何だか泣けてくる。それに、聞き逃せない言葉があったぞ、今。
「え?それって、俺、老けてるってこと?まだピチピチの高校生なんですけどっ!」
 ピチピチという言い方は死語かもしんねーけどさ。
ちょっと焦りつつガバッと起き上がってしまった政宗に、幸村も一緒になって起き上がる。
「いや、違うでござるよっ。生徒会長だからか、しっかりしてるのかな、と。」
「それに、お願いだから、「お隣さん」は止めてもらえませんかね。」
 項垂れ気味に、ポンと、幸村の肩を叩きながら、弱弱しく言葉を漏らす。
「じゃあ、生徒会長さん?」
 可愛らしく首を傾げながら、追い打ちをかける幸村に。
「あの…、出来れば、まさむね、でお願いできませんかね。」
 思い切って提案、なのに心は今にも折れそうで、それが声にも表れているのか、ボソボソと聞き取りにくい音量で言ってしまう。名前で呼んでくれたら、ちょっと特別な気がして嬉しいんだけど。俺、ホント、貴方の特別になりたいんですけどっ!
 政宗の魂の叫びは、幸村には届かない。
「お、俺…、呼び捨てとか慣れてないんで…、政宗殿で、良いですか?」
「うん、…まあ、それで良いです。」
 なんか釈然としないと、政宗は若干ガックリしつつも頷く。
「どの」って…、なんか表彰状とか卒業証書とかだけで聞く感じ、余所余所しさが、マックス級半端無い気がする。
 でも、次の幸村の言葉に、底辺まで落ち込んでいた気分が、浮き上がってくる。
「じゃあ、俺も、おあいこで、呼び捨てで良いです、けど…。」
 政宗のパジャマ上下の幸村は、若干肩幅とか手の長さが合ってないのか、ぶかぶかでパジャマに着られている感じに見える。本当に童顔で、同級生か年下にしか思えない。こんな可愛いすぎる人、これから男子校で勤めるなんて、飢えた狼の檻に子羊を放つみたいなもんだ、と、自分のことはまたもや棚に上げて考える。心の中で、「俺、この人を全力で護る!」と、決意表明をしてしまう。
―――でも、そうだ。この外見に騙されちゃ駄目だ。
「ええっ、俺が呼び捨てなんて、それはいけないでしょ、先生に。しかも年上に。」
「じゃあ、学校外でなら、良いでござるか?2人きりの時だけとか。」
「えっ、それって…っ。」
 湧き上がる喜びに、思わず政宗は、キュッとシーツを握った。
―――なんか内緒の関係で、特別って感じで…、すっげえドキドキするし。
「なら、お互いに、マンション帰ってきたら、名前で呼び合うってことで。」
「それで、決まりでござるな。」
 薄着の政宗は肌寒くなってきて、幸村の肩に掛布団を掛けながら横になるように促して、自分もベッドに寝る体制に入る。
「あの、ベッドから落ちそうになってる…。」
 と、言い訳がましく克つ平然を装って、自分のより少し小さい背中に両腕をまわして、何気ない感じでその身をそっと抱いたりしてみる。政宗は、息切れ間近、爆発寸前の心臓をだましだましにして、普段通りを装っていた。
「温かいでござるなあ…。」
 眠たそうな幸村は、可愛らしさが頂点を振り切っている。
 警戒心が皆無と言って良い幸村は、無意識にか、身じろいだ拍子に自分から政宗の方へ身を寄せてきた。子供みたいに体温が高くて、首筋にかかる温かい吐息がくすぐったくて。
 こんなん、襲ってくれって言ってるようなもんだろっ、と、政宗は心の中で訴える。
「政宗殿は、うちの兄上みたいでござるな…。」
 眠たげに、たどたどしく呟いた幸村の言葉に、政宗は苦笑する。
「え、俺、兄貴なの?」
「なんか、安心するでござるよ…。」
 そして、幸村の手は縋るみたいに、政宗のトレーナーの前部分をきゅっと握った。
―――なんなんだよ、この無意識に甘えてくる感じ。小悪魔すぎるしっ。
 血圧が急上昇して、何だかくらくらしてきた。
柑橘系のシャンプーの良い匂いが漂ってくる。自分の普段使っているものと同じはずなのに、幸村が纏うそれは別物みたく、甘く誘うように自分の鼻腔をくすぐる。
 幸村は疲れていたのか、急降下で、スーッと安らかに眠りに落ちてゆく。
 反対に自分は、アドレナリンが放出されまくりなのか、眠気が吹っ飛んで、起こさないように細心の注意を払いながら、幸村の腰辺りに手を廻して、ぴったり体をくっつけてみた。
―――あー幸せ、だけど、反面、眠れねえ。
 自分の腕の中で幸せそうに眠る幸村の寝顔を眺めながら、夜は更けて行った。


☆☆☆☆
 桜満開の木の下。ここは見覚えがある。自分が通っている学校の特別教塔、旧校舎の裏だ。むさい男子校なのに、櫻の花園と乙女チックに呼ばれている場所。
「センセ…。」
ピンク色の吹雪の中、黒い細身のスーツ姿の幸村は振り返る。頬が反射したように桃に染まっていて、可愛すぎて、抱き閉めたくなる衝動に駆られる。それを、なんとか理性総動員で耐え忍んで。
「幸村センセ、俺に、話って…。」
 ドクンドクンと心臓は自らの意志を持つように、不規則に高鳴る。緊張しすぎて今にも吐きそうだ。口の中が何だか苦々しくなってきている。
「俺…。」と、口元に手をやった幸村は、目を伏せて、一旦言葉を詰まらせたが。
「俺、政宗殿のこと、ずっとずっと好きだったのでござる。でも、俺、君の先生だから、…今まで、卒業式の今日まで、俺…、言えなくて。」
 そこまでボソボソと告げた幸村は、泣きそうに顔を歪めて、恥ずかしげに俯く。そんな姿がいじらしくて、もうどうしようもなく愛おしくて、もう政宗はメロメロ状態だった。
―――こんな唐突な展開、夢だよな。この前始業式だったのに、卒業式って。
 案の定、頬をつねってみると、全然痛くない。
 チッと心の中で、政宗は舌打ち。
畜生、世の中そんなに甘くないか。
 なら、楽しんでやる。せっかくだから、絶対、出来そうにないことやってやる。
「そんな…、俺も、幸村のこと、好きだったから…。嬉しいよ…。」
 途端、大粒の涙をはらはらと零し、しゃくり上げ始めた彼を、両腕でぎゅっと抱きしめて。
 その柔らかな抱き心地を堪能していると、幸村もおずおずと両腕を背中にまわしてくる。
「俺も、好きだ。大好き…。あんたを愛してるよ。もうずっと、永遠に離さないから。」
 ちょっと気障っぽく甘く告げて、背を少し屈めて、幸村の顔に顔を近づける。
むにっと触れたのは柔らかい唇。甘い苺みたいな可愛い唇。ずっとずっと焦がれていたそれに、理性にブレーキが利かなくなった政宗は、ますます唇を押し付ける。
「んっ…、ふっ。」
なんだか、頬に当たる吐息が生々しい。
―――夢のはずなのに、耳を擽る、この鼻に抜ける甘い呼吸は…。
「んん?」
 口づけたまま、目を開くと、視界に入ったそれが近すぎてぼやけた。
 相手も目をパッチリ開けて、息を詰めてじっとしている。
―――あれ、あれれ?
 ベッドに横になったままで、あまつさえ自分は、両腕と両足で絡みつくように相手を全力で抱き閉めていて、その上口づけている、なんて。
「あっ…、えええっ。」
 幸村は、目をぱちくりと瞬かせて、酷く驚いている。現実に戻った政宗は、全力で幸村から離れた。
「えええええっ、ごめんなさいっ!俺、寝ぼけて…。」
―――調子こいて、キスしてしまったのかっ!
「あのあの、ほんっとに!ごめんなさい!」
 低血圧の頭をなんとかフル稼働させても上手い対処の方法が思いつかなくて、狼狽えまくって、体を起こした政宗は、ベッドの上で土下座に近い潔さで、全力で頭を擦りつけるみたく下げる。
「いや、そんな大丈夫。吃驚しただけでござるよ。か、彼女と、間違えたのかなと…。」
 必死に謝ってくる政宗に、幸村は顔の前で手をひらひらと振りながら、困ったように微笑みを零す。
「かっ、彼女?なにそれっっ!」
今度は飛びあがりそうな勢いで、幸村の肩に両手を置いて、ガクガクと前後にその体を振って、政宗は告げてしまう。そんなこと、幸村に言って欲しくなかったこともあって、過剰に反応してしまった。
「お、俺っ、彼女なんていねえし…。」
政宗は子供っぽく口を尖らせて、不貞腐れたようにぶつぶつと告げて、横へ向く。
「え?彼女、いないので?」
 普段から水分多めの大きい眼を、ますます零れ落ちそうに見開きながら、問うてくる。
「あのー、それ、どこ情報ですかね?佐助センセ?どうせ俺のこと女の子大好きとか噂してるんでしょ。」
 政宗はベッドの上で向かい合って座りながら、胡坐をかいて、大きくハーッとこれ見よがしに溜息。
―――俺、そんな遊び人じゃねえんだけど、噂先行してるだけなんだけどっ!
「あの…。」
幸村は言葉を発することを躊躇って、戸惑うように目線をずらしたが、政宗の強い視線に促されて、意を決したのかしゃべり始めた。
「こっ、この前…壁越しに、じょっ女性の…あの…エッチな声が…聞こえてしまってっ。俺、すごく驚いて…昨夜も、もしかして、きょ、今日も彼女来てるのかなって…、来てたら悪いなって…思ったのでっ。」
 とつとつと言い終えた後、かああああと、顔を分かりやすく茹蛸みたく真っ赤にした。
「えええっ?」
中高大一貫校の、出会う人は全部男、知り合いの知り合いも全部男、の魔のサイクルのために、最近、Hなことはおろか、男女交際とかともトンと無縁だ。本当に俺?俺なのか?俺じゃ無くて逆の右隣の部屋の人じゃないのか?俺の身は潔白のはず。
懸命に記憶を巻き戻していて、そこで、政宗は何かを思い出して、ハッとする。
「あ、まさか…、一昨日の九時ごろの話?」
 恥ずかしそうに、政宗の眼を見られない幸村は、下を向いたまま、コクンと頷く。
「それ、エロDVDだ…。イアフォン入れてると勘違いして、大音量で再生したら、外れてて、慌てて消したやつ。」
「え?」
「ご、ごめん。それ、お隣さんまで漏れてたんだ…。迷惑かけたみたいで、申し訳無いです。」
 なんか、誤解させた上に、エロDVDを観ていたことを白状してしまって、恥の上塗り以外の何物でもない。
 それより、この壁、そんな薄いのか。
 考えながら、コンコンと政宗は拳で軽く壁を叩いてみる。
もしこの先、センセとそういう関係になった時、ちょっと注意が必要だな、と、口元に手をやった政宗は1人考えていた。
「そっ、そうなので…。」
 そんな不謹慎なことを、この真剣な表情の政宗が考えているとは露知らず、少しホッとしたように幸村は肩の力を抜いて、やっと顔を上げてくれる。上気したように頬を染めた彼は、もうなし崩しに抱き閉めたくなる。一挙一動が可愛すぎるなんて、天然記念物ものだ。
「俺、マジで彼女なんていないですからね。」
 ここ、最重要項目だから、俺、何度も繰り返しますけどね。
「すごくカッコいいから、彼女がいてもおかしくないというか、逆にいないほうがおかしいかなと思っていたので。」
 屈託の無い笑顔で、そんなことを言われて。
「え?」カッコ良いなんて褒められて、お世辞とかかもと思いつつも、手放しで喜んでしまう。湧き上がってきた嬉しさが漏れそうなのを必死に噛み殺して、半分失敗しながらも顔を引き締めた政宗は、照れ臭そうに口内でぼそりと呟く。
「そ、それはどうも…。」
 心持ち首を傾けた幸村は、フワッと優しく微笑む。
「あ、あの…、もう一度、キスして良いかな?」
 笑顔を目に映して、何かがガーッと腹の底から込み上げてきて、政宗は、再び幸村の肩に両手を置いて、必死な形相で思わず口にしていた。
「ふえ?」
 幸村はまだ眠気眼な瞼を手の甲でごしごしと擦りながら、聞き返してくる。
「お、俺…、キスとか本当に久々で…気持ち良かったから、なんか…って何言ってんだろ、俺。」
 寝起きでただでさえバサバサになっている髪を、差し入れた右手で、ますますぐしゃぐしゃに掻き混ぜる。テンパりすぎて、変態みたいなことを口走ってしまった。気持ち良かったって、何だよ!ただの盛りのついたヤツじゃん。
 今度こそ、幸村は、「え」と、口を半開きに固まってしまう。
―――このセンセの顔、きっとひかれた。絶対、嫌われた。
「…ご、ごめんなさいっ。今の…。」
 無しでっ!と、言おうとした瞬間。
「あの…、俺、しても良いでござるよ。」
 また俯いてしまった幸村の返事が、信じられなかった。
「え?」昨夜から二回目、自分で言っておきながら、政宗は目を真丸くしてしまう。
「泊めてもらったお礼。お、俺で良ければ。」
 幸村は、震えながらも、目を閉じて、キスを待つ体制になる。
 こんな幸村を見てしまっては、もう止まらなかった。
 チュッと音を立てて啄んで、薄目で幸村の表情を見ると、困ったように眉毛のハノ字にして、目元を染めている。そして、ベッドに置かれた手は、何かに縋るようにぎゅっと拳を握っている。こんな初心な反応、たまらない。
 布団にもう一度押し倒して、圧し掛かるみたいにして、今度は深く口づけた。
 微かに開いていた口から舌をするりと捻じ込んで、ゆるゆると優しく解けるように愛撫してゆく。
「ん…、ふう…、ん…。」
 敷布団に投げ出されている幸村の左手に、政宗は右手をぎゅっと絡めた。
 堪能するように、何度も角度を変えて、ちゅぱちゅぱと水音を立てながら、キスを繰り返す。小刻みに震えつつも、幸村もたどたどしい動きながら、政宗の舌へ舌を絡めてきた。
 甘い唾液が口内に溜まってきて、幸村はコクンと喉を鳴らした。
 最後に名残惜しげにもう一度啄んで、幸村の口元に流れていた涎を舌でぺろりと舐め取った。幸村の上下の唇は、グロスを塗ったように色が変わって、ぽってりとしていて、ますます美味しそうに政宗の目に映る。今、この唇とキスを交わしていたなんて、信じられない。なんて幸せすぎる。
「あ、あの…、政宗殿は、き、きす、久々だったので?」
 情熱的なキスに翻弄されてしまった幸村は、目元を赤らめながら、舌足らずに囁く。
 カーテンの隙間から朝日が零れる中、ベッドに身を沈め、息が上がっている幸村の頬をそっと労わるみたくしきりに撫でる。
「え?う…、うん。久々だけど…。」
甘い雰囲気を醸し出しながら、政宗は下の幸村に体重を掛けないように、覆い被さった。
「何だか、慣れているんでござるなあ…。」
 今時の高校生ってこんな感じなので?と、ジェネレーションギャップを感じたのか、はにかんだように笑って呟く。
「慣れてるなんて、そんな、俺は、普通だけど。」
 でも、と、幸村は、長い睫毛を震わせて。
「俺は、初めてだったのでござるよ。」
 面映ゆそうに、政宗の耳元で、幸村はたどたどしく囁いた。
「22にもなって初めてなんて、恥ずかしいのでござるが…。」
「ええええっ、ファーストキスの相手、俺なんかで良かったの?」
「なんか、よく分からないけど、政宗殿なら良いかなと、思ってしまったので…。」
 頬を桃色に染めて、目を伏せて応える幸村に、もう堪らないと思った。ガツンと頭を殴られたくらいのショック。
もう、俺、本気で、この人のこと、好きだ。誰にも渡したくねえ。
「おっ、俺、ヤバイ、すっごく嬉しい…。」
 湧き上がった感情のまま、ぎゅっと抱きしめてしまった。
「政宗殿…。」
 幸村はされるがままで身じろぎもせず、腕の中でじっとしていた。


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