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小説
罪深く、愛してよー後編ー
 政宗は、自分の着物を床に敷き、その上に幸村を、大切な壊れ物を扱うみたくゆっくり寝かせる。袴を脱がせて、着物の前を完全にはだけると、まだ羞恥心を完全に捨て切れない幸村は、手をクロスして、そこから溢れんばかりの胸を隠そうとしていて。動きに気づいた政宗は、幸村の両手を拘束するかのごとく取った。けれど、その掴んだ手首からだけでも、幸村が酷く身体を強張らせ、緊張しているのが、痛いほど伝わってきて。
「あの・・・、まさ、むねどの・・・。」
 仄暗い闇の中、心細げに発せられる幸村の声に、優しく諭すように返事をする。
「幸村。大丈夫だ。」
 初めての未知なる経験に、飛び出しそうにドクンドクン脈打っている、幸村の心臓。
 それを何とか落ち着かせようと、政宗は幸村の赤らんでいる頬に、唇を寄せた。
「俺に、あんたの全部、くれるんだろ?」
 恥ずかしげに目を閉じ、睫を揺らす幸村に、チュッと唇に羽根のごとくキスを送る。
 何度も何度も繰り返される啄ばむ接吻は、徐々に甘く変化して行く。
「ふ・・・んんっ。」
 柔らかいその感触を確かめるように重ね合わさって、そして、息を止めるほどに求め合う、唾液を交換するほどの、深いものになっていった。
 邪魔っけな布を取り去り、月明かりにじんわり浮かび上がった、幸村の白い裸体。
 早い呼吸で上下する胸は、大きくたわわに実った形の良い果実のごとく。中心にピンクの花びらのような乳首が色づいていて。
 それを目の当たりにした政宗は、密かにごくりと喉を鳴らした。
 人より体温の低いひんやりとした、けれど細やかな掌を、陶器のごとく滑らかな身体の上へと、感触を確かめるようにゆるゆると滑らせる。流れる手の動きは、やがて、切なげに揺れる大きく膨らんだ胸にたどり着き・・・。
「ふっ・・・。」
 次の動きを予測したのか、鼻に抜けて漏れた、幸村の密かな吐息。
 期待に応えるように、柔らかく弾力のあるそれを、両手で下から上へ持ち上げるようにぎゅっと揉んでみる。
「あっ・・・。」
 しっとりと濡れる紅い唇から零れた、蜜のように甘い声を、もっともっと聞きたいと思った。政宗は欲望の指し示すまま、ぷっくり立ち上がっている桃色に色づいた乳首を、指できゅっと摘む。
「ふっ・・・、あああッ・・・。」
 一生懸命に歯を食いしばって、喘ぎ声を飲み込もうとしているが、盛大に失敗していた。
「気持ち、いいのか?幸村。」
「あんッ、・・・やあっ、・・・んんんッツ!」
 右側の乳首を指で刺激しながら、ふるふると震える逆のそれを生温かい口に含み、強く数回吸い上げてみる。そして、乳頭にぬめった舌を絡ませ、ちゅくちゅくと愛撫する。
「ああっ!・・・んんっ、ふああッ・・・。」
 呼吸が乱れ、息苦しげに幸村は首を反らした。
 もじもじと膝を擦り合わせている幸村に気づいた政宗は、右手をその下半身に伸ばし、幸村が両膝でガードしていた秘部にそっと指先の腹で触れてみる。
「ひんっ!・・・ああッッ。」
 案の定、熱を持ったそこは、もうすでに幸村の体内から出た愛液でぐっしょり濡れていた。
「ふああッ!・・・そ、そこお…っ。」
「乳首を触っただけで、ここ、感じまくってるぜ。もう、とろっとろだな。」
「やあっ…、んんッ!・・・ふああ…。」
 あと数ミリのところにある核心には触れず、そこの周囲を探る、ゆるりとした動き。
「あっ!・・・やあッ・・・。」
 幸村の腰が無意識に動き、政宗の指を誘おうとしていた。それを知ってか知らずか、政宗はまだそこを触ってくれようとはしない。 
 極限まで焦らされ、早く中まで入れて強く刺激して欲しいのか、幸村の体が切なげによがる。
「もおっ!・・・だっめでっ・・・アッ!」
「もう欲しいのか?」
 ニヤリと、政宗は妖艶に笑う。
 こくこくと、幸村の首が縦に振れる。
「あんたの体、どこまで感度がいいんだよ。」
 政宗の指がその秘部に触れた途端、幸村の体がビクンと大きく震えた。
「ひああッ!・・・んああっ!…あっ、あんッッ!」
 中指を入れて出し入れすると、くちゅくちゅとそこから恥ずかしい水音が漏れてきて、なけなしの理性が働いた幸村は、耳を塞ぎたくなった。
 けれど、そんな幸村をあざ笑うかのように、ウィークポイントを的確についてくる。
 政宗の指は、上側のコリコリとしたしこりみたいな部分を爪で擦るみたく愛撫してきた。
「いああっ!・・・そ、そこおっ!…ひんッ!んああっっ!・・・。」
 普段の真面目一徹幸村からは、想像もつかないほど、乱れまくって喘ぐ、艶かしい姿態。
「あんた、最高だ・・・。」
 政宗は、ペロリと舌なめずりした。
「ああっ!・・・やあッ・・・やあ…、もお…やらあッ!!」
 指を増やして、もっともっと奥を刺激するように、ぐちゃぐちゃにかき混ぜる。
「ああんッッ!だっ・・・、っだ、めえっ・・・ああッ!」
 感じすぎて、絶え間なく流れる涙で、視界は、おぼろげにぼやけてきていた。
 三本の指が、個々の意識を持っているみたいに、不規則に中で蠢く。
「ああッ!、んあッ!…もおっ!・・・んん!」
 ひときわ甲高い声が漏れて、膣内がヒクンッと大きく痙攣したように動いた。
「ああんッッ!・・・んんっ!」
 すると突然、政宗は、三本の指を内部からずるりと引き出す。指からは、幸村の恥ずかしい液が零れ、ポタポタと床に滴り落ちていた。
「もう、我慢できねえ。入れたい。」
 政宗は、幸村のぐったりと弛緩している両膝を立たせ、間に自分の体を滑り込ませると、持った彼の両足を極限までぐっと広げる。
「幸村、力抜け・・・。」
「政宗どの・・・。」
 従順な幸村は、何とか落ち着こうと、ふうふうと深呼吸してみた。
「いったっ・・・。」
 鮮やかなピンク色の内部を裂き、肉棒の先端を受け入れただけで、裂けるかのごとく強い苦痛が、幸村の体の中を駆け抜ける。
「幸村。」
 眼に涙をいっぱいためて、眉間にしわを寄せた幸村は必死に痛みを堪えている。
「舌、出せ。」
「あっ!・・・、ふう・・・んんんっ・・・。」
 出した舌を宙で絡め、互いを求めるように、キスを交わす。
 幸村の全意識が口づけへ向いている間に、ゆっくりゆっくり、政宗は腰を進める。
「っ・・・全部、入った。」
「んあッ!」
 きつくて、そして、燃えるように熱くて、自分にまとわり付く内部。
 あまりの心地よさに、政宗は、軽い眩暈がして僅かに頭を振った。
「動くぞっ。」
「んんっ!・・・、あッッ。」
 その合図で、政宗は律動を始める。
「あああッ!・・・あっ…、んんっ!」
 目の前にある、政宗の動きに合わせて揺れる、汗でしっとりと濡れる乳房を、きつく揉みしだいた。 
「ひあんっ!、…ひいッ・・・もッ・・・ああっ、あひッッ!!…。」
「くっ・・・。」
 もっともっと深く繋がろうと、幸村の片膝を肩にかけて、体を前方に動かす。
 内部を熱く猛々しい肉棒で擦られて、幸村はひときわ大きく出てしまう喘ぎ声を抑えられない。
「ひんっ!・・・奥にっ、いっ・・・、ああッ!んんっ・・・、あああッッ!・・・んんっ。」
「幸っ・・・。」
何とか政宗の動きに合わせようと、幸村は彼の大きな肩に必死にしがみついた。
 最奥を何度も何度もえぐるみたいに、激しく突かれる。
 頭の中が真っ白になってきて、もう何も分からなくなってきて。
 脳裏を強いフラッシュバックみたいな光が走って。

「ひああっ!ああんッ!ああっ・・・、もおっ、んんっ!だめっ、だめえっ!あああッッ!!」
「っ・・・。」
 自らのひときわ大きく出てしまった喘ぎ声とともに、幸村は自分の最奥に、ほとばしる熱い何かを感じていた。


 



 腰が抜けてしまった幸村を、自分の着物でくるみ、赤ん坊みたいに抱っこした状態で、窓から月を眺めていた政宗は、何気なく言葉を発した。
「なあ。」
「はい?」
 温かい政宗の腕の中で、夢うつつの状態だった幸村は生返事をする。
「あんたが、女の状態で俺と繋がってしまったことで、俺の子を孕んでしまったらどうする?」
「政宗どの・・・。」
 幸村は、突然の問いかけに、冷水を浴びせかけられたように、眼を見開いた。
「どうするんだ?」
 一瞬間を置いて考えた幸村は、下を向いて下唇を噛んだ。
―――政宗殿は自分とは住む世界が違う。
 それを思い知っている幸村の答えは1つしかなかった。
「某が・・・一人で、育てまする。」 
「ばーか。」
 静かにさめざめ泣いている幸村の髪を撫でて、そのまま頭をぐいっと懐に収めた。
「あんたも、その子も、俺のモンだろ?俺が全部ひっくるめて、貰ってやる。」
 ますます涙が止まらない幸村に、更に続ける。
「そうじゃなくても、あんたは、俺のモンだけどな・・・。」
 幸村の色素の薄い髪に焦がれるように口づけて、政宗は瞳を閉じた。


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