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小説
無料配布再録
☆オフ本「ゆきむら1/2」のネタバレを大きく含みます。もしも今後「ゆきむら1/2」を読んで下さる機会がある方は、…ごめんなさいです。せっかく無料配布を貰って下さった方にも、お詫び申し上げます。



☆☆☆
「もう夜は肌寒いでござるな・・・風邪をひかないように。」
 穏やかに目を細め、母親の顔で幸村はそう囁くように告げながら、すぐ傍で寝息をすやすやと立てている我が子に、赤い子供用の布団を、首までそっとかけてやる。
 天使のような、とはよく言ったもので、親の欲目を除いても、本当に可愛い寝顔。つんつんと幸村はその弾力があるほっぺたを指で突付いてみたりしていた。
「その布団、見覚えねえな。」
 そんな微笑ましい親子の様子を少し遠くから眺めていた政宗が、手酌で酒を注ぎながら、そういえば、という感じで幸村の背中に問いかけてくる。
「ああ、これは、お館様から、さちにと頂き物でござるよ。」
 ぱあと幸村が、顔を輝かせて声を弾ませた。そんな幸村に、どんだけ嬉しいんだよ、と内心政宗は、苦笑を零す。
「あんたのお館様は、ホントにあんたと、さちが大好きだな。」
「・・・そ、そうでござるか?」
 ごにょごにょとそう呟いた幸村は、ますます込上げてきた嬉しさを堪えきれず、少し照れたように、はにかんだ。
「この前ここに遊びに来たときも、ただの優しいおじいちゃんになってたじゃんか。さちを膝にずっと乗せててさ。自分の足が痺れても我慢してるなんて・・・戦場で見せる顔と別人とはよく言ったものだぜ。」
 ホントに、と、そのときの光景を思い出しながら、穏やかに微笑んだ幸村が続ける。
「玩具とかお菓子とか着物とか沢山もって来て下さって。」
 本来ならば、こちらが参上仕らないといけないものを・・・幸村は、少し困ったふうに眉毛をハの字にした。
「まあおっさんがあんたをどんなに大事に思ってても、俺が一番、あんたとさちを愛してるけどな。」
 そこだけはゆずらねえ、政宗はそう胸を張って告げて。
手に持っていた杯をお膳に置き、足音無く静かに近寄ってきて幸村の背後に回ると、後ろから着物の胸元に手を突っ込もうとする。が、それをすぐさまバシッと叩き落される。
「・・・ってえな・・・。」
政宗は、馬鹿力のせいで赤くなった手の甲にふうふう息を吹きかけている。
「破廉恥は禁止ですぞっ。子供が寝ておりますうえっ。」
 顔を首までボッと瞬間湯沸かし器のごとく赤くした幸村に、咎めるように睨みつけられた。
「・・・なあ、幸、久々だろうが。」
  甘ったるい雰囲気を醸し出して告げると、後ろから幸村の細い顎を持ち上げ、斜め上から唇を塞いできた。素早く差し込んできた舌で舌を絡め、ちゅくちゅく吸い上げて、深いキスを仕掛けてくる。
「んんっ。」
 今度こそ、まんまと着物の合わせ目から手を忍ばせて、その掌の中で納まりきれないほどの大きな胸を鷲掴み、ぎゅっと揉んだ。
 瞬間、幸村はくっと息を飲んだ。
「俺が城を留守にしていた間、猿と浮気してねえだろうな。小十郎は俺と一緒だったから大丈夫として・・・。」
 ぐいぐい少し乱暴に両方の胸を揉まれて刺激されて、次第にその突起がコリコリとたってきた。胸が弱点の幸村は徐々に息を上げてきて、密かに熱くなってきた下半身をもじもじと身悶える。
「っ・・・ぁ・・・、するわけないっ・・・それならばっ、んんっ・・・、政宗殿こそ、行く先々でおなごと良からぬことをしてはいなかったであろうなっ。」
「・・・なあに言ってんだよ。」
 無防備に曝け出している白い首元に、強めに吸い付くと、政宗の腕の中で、幸村の感じやすい身体がビクッと震えた。唇を離すと、そこには、自分の所有物の印である、鮮やかな華が咲いて、政宗を満足させる。
「ずっとずっと、あんたにこうやって触れることばかり考えてたって。四六時中、俺の頭ん中、あんただけだ。」
「あっ、もうっ、さちが見ておりますってば・・・いあっ。」
口ではそう言いながらも、政宗が的確に弱い部分を狙ってくるので、徐々に幸村の抵抗は弱くなってゆく。さっきまで押しのけようともがいていた手も、政宗の少し乱れた着物の袖を縋るように握っている。
「もう、野暮なこというなって。」
 指先で乳首をリズミカルに摘み上げられて、骨砕けに力が抜けてきた幸村は、政宗にもたれかかる。
「あんたが大きな声を出さなきゃ起きねえよ。」
 そして、とうとう邪魔な着物を両側から剥くように肌蹴ると、大きな二つの桃のようなみずみずしいふくらみがぷるんと飛び出てきて。
「ひああ・・・んんっ。」
 下から押し上げるように揉み続け、柔らかい胸の感触を楽しみながら、吸い寄せられるように、その空いた片方の、淡いピンク色の突起に吸い付き、滑った舌を絡め、窪みを舌の先端で突付き、執拗に刺激してゆく。
 布団に押し倒し両手首を布団に縫い付け、上から幸村を見下ろしたその顔は、悦に入っていて見惚れるほど綺麗で、そして誰よりもカッコ良く微笑んで見せた。
「ずっと、こうしたかった。」
 寄せた耳元に、その美声で囁く。
「愛してる、幸村。」
「政宗殿・・・。」
 ずるい。ずるすぎる。
 そんな顔されたら・・・もう、何もかも許すしかないってこと。
愛しくて愛しくて、たまらなくなった幸村は、両手を伸ばして、政宗の首元に巻きつき、ぎゅっと引き寄せる。
「某も・・・、あいしてる。」
 今にも泣きそうな声で、そう告げた。
「俺以外誰にも靡かない位、よくしてやるから。」
 暗闇の中で、不適な笑みを零す。
「・・・政宗殿、政宗殿でいっぱいにして下され・・・。」
 掠れた声で言葉を漏らした。
 
そんな必要無いのに。
 心も、身体も、全部全て、生涯政宗殿のものなのに。

汗がじんわりと滲んだ肌が生々しく触れ合う。
 幸村の女性器を丹念に指で時間をかけて解かして、弱い場所を繰り返し、ねちゃねちゃと粘着質な水音を立てながら、抉る様に探られて。
「ひあ・・・あああ、いっく・・・あああああっ。」
 ビクンビクンと大きく痙攣すると、幸村は喉を反らし、甘い声で鳴いた。
 何度も1人でいかされて。
気持ちよすぎて、辛い。
 それなら、もっと酷くしてほしい。
「んん・・・あああ・・・っ、も、も、はやくうっ・・・・・来て・・・くださ・・・れえ・・・、ほしい・・・っ。」
 じわじわと緩やかに触られて、あまりに焦らされて、とうとう幸村は、体中を桃色に染めて、涙目で、政宗に懇願する。 息を弾ませ、甘ったるい声で喘ぎながら、もうすでに蕩けるように快楽に染まってしまった淫靡な表情で、政宗を誘う。
 そんな幸村に、辛抱出来なくなった政宗は、早急な動きで、指を一気に幸村から抜き取ってしまう。
「今日は、あんたが自分でやってみろよ。」
「・・・んんっ・・・。」
 敷布団に寝転んだ政宗を、目配せで促されるまま跨ぎ、完全に立ち上がった肉棒を自分の秘部にあてがい、そのままずぶずぶと飲み込んでゆく。
「ひあああああああああ・・・。」
 熱いそれに、一気に貫かれてゆき、電流のように快楽が背筋を駆け登る。
「ああっ・・・奥にあたっ・・・ああっああっ・・・いああ・・・。」
 自分の体重の重みで膣の奥深くまで届いてしまった。その快楽の強さに身震いしながら、細かい喘ぎ声を上げ、意識が飛びそうになった幸村は、首をふるふると何度も振る。
「オーケイ、そのまま。」
 幸村の腰骨あたりに手を添えると、下からズンッと突き上げた。
「いあっ?・・・ああああっ。」
最奥をガンガン下から突かれて、その度に、幸村の身体が連動するみたいにビクビクと跳ねた。
「あああっ・・・・・やああ・・・っんああ・・・。」
あまりの気持ちよさに、生理的な涙が溢れる。堪えきれず、ダダ漏れる喘ぎ声が部屋を充満する。
 幸村の動きに合わせて揺れる無防備な白い両胸を、痛いくらいに乱暴にむにゅむにゅと揉まれて。
 蕩けるように熱くなった内部を、じゅくじゅくに掻き混ぜられて。
「ああああっだ、だめ、だめでござっ・・・あああっ、だめえ、あああっいああ。」
 弱い部分を集中的に攻められ、切羽詰った幸村は、泣き叫ぶように甲高く喘ぎながら、一気に上り詰めてゆく。
「おかしくなっ・・・あああああっ・・・ああんッ・・・。」
「・・・幸・・・。」
「あああああっもお・・・だめえ・・あああっ。」
 びくびくと膣を痙攣させると同時に、そこに熱い液をたっぷりと注ぎ込まれて、頭の中が白濁されていった。
 薄れてゆく意識の中、ぎゅっと力強く抱きしめられて、それが政宗の腕だということが幸せすぎて。
 
また、泣きそうになった。
 この今の幸せが愛しすぎて。

★★★★
「なあ、さすけ。」
 墨を擦る手を止めて、何かを思い立ったさちは、すぐ近くの佐助を振り返り仰ぎ見た。
「なあに?姫。ほらほら、ほっぺもてっても汚れてるよ。」
 さちを膝に乗せた佐助は、小さな手を包み込む感じで手を添えて、硯に墨を擦り付けるのを手伝っている。よいしょよいしょの掛け声つきで。
 振り返ったさちの頬は、存分に墨だらけになっていて、昔の幸村を思い出したのか、佐助の顔は緩んでしまっている。
「きれいきれいしましょうね〜・・・って・・・あーあ、更に汚れちゃったねえ。」
綿布で拭ってあげても、汚れが広がるだけだった。
「じつはな、きのう、ははうえとちちうえが、けんかしておったのだが・・・、おすもうさんみたいに。」
 そのたどたどしい口調とは真反対の衝撃内容に、ブブッと佐助は、さちの頭上で吹いてしまう。
「っ、猿飛っっ。」
 何かを鋭く察したのか、近くで書き物をしていた小十郎の鋭い声が割り込んでくる。
 それ以上話を掘り下げるな、と無言の圧力がひしひし伝わってくる。あらら、と佐助は苦笑いをしつつも、小十郎の刺々しい目線はお構い無しに、さちに内緒話をするように耳打ちする。
「それは、夜だったの?」
「うん。」あどけない顔で、ん、と頷いた。
「こらっ、やめねえかっっ。」
 使っていた筆を手の中で真っ二つに折れそうにしつつ、慌てて駆け寄ってくる小十郎を尻目に、佐助はさちを抱っこして更に問い続ける。
「それは〜、2人とも裸、だったとか?」
 ん、と、さちは、また大きく縦に首を振った。
 それをはっきりと見届けて、大人2人は瞬間固まってしまう。
「・・・へえ、そっか、そうなのね。子供の前でもねえ・・・。」
(さすがの竜の旦那だこと・・・。)
「・・・っ。」
「ご愁傷様だね、右目の旦那。」
 ガクっと肩を落とし畳に両手を置いた小十郎の、眉間のしわがまた増えてしまった。
「ははうえとちちうえは、けんかしておるのか?だいじょうぶ?」
 大の大人2人の取り乱しように、心配げに表情を崩すさちに、佐助は腕の中の頭をくしゃくしゃに撫でて、ぎゅっと抱きしめて、微笑んでみせる。
「大丈夫だよ、それは、すっごいすっごーい、大好きっていう愛情表現だからね。」 
 そして、佐助は、小十郎と笑い合う。
「だって、2人とも好き合ってるから、姫が生まれたんだからね。」
-おしまい-


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