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替え歌
∫暴君と少女(悪ノ娘:鏡音リン)♀エドとロイのシリアス
「いつか、あの人は殺される…っ、
俺は殺したくないっ」


昔々あるところに、
アメストリスと言う国で
戦乱のはてに添い遂げた
小さく可憐な女の子

彼女の相手はこの国の
恐れられたる大総統
かつての砂漠の戦争で
英雄とまで言われた者

先代(せんだい)政府の圧政を
砕(くだ)き壊したこの男、
しかし、今では民衆に
重税(じゅうぜい)を強いている

「さぁ、ひざまずきたまえ!」

思い出は遥か遠く
突き放された痛み
かつて愛してたその声は
嗚呼、
殺意を秘めた匂いがする


錬金術師のその腕を
かわれ、ついてた、その時代
夢を語ったその人は
残虐非道の王となる

民衆のためと立ち上がる、
かつて鎧の弟が、
立派に掲げた旗印(はたじるし)、
掲げられたる彼女の名

腹心の部下も参加して
結成されたその力、
今や国中に広がって
英雄に牙をむく

「まだ間に合う、
目を覚まして!」

思い出は消えていくの
変わり果てたその痛み
かつて愛してたその腕は、嗚呼、
命令のために振るわれる


我らが暴君倒すべく
ついに人々は立ち上がる
大総統府を包囲して
彼女は最後の話あい

「無抵抗降伏(むていこうこうふく)をすれば、
命は助けてあげられる
賢い選択をしてくれ
軍も残すはここだけだ」

それは聞けぬと大総統
冷たい視線で突っぱねた
羽交い締めで外に出される
彼女はこう言った

「俺は貴方を殺したくない!」

思い出は消え失せたの
体を貫(つらぬ)く痛み
かつて愛してたその人は
嗚呼、
彼女の命を切り捨てた


そして彼女の血が流れ、
ついに火ぶたは落とされた兵士のいない軍内部
残すは主と軍事主義

大地に轟く爆発音
炎が全てを包みこむ
姉の遺体を捜索中
偶然見つけたその男

腕に彼女を抱きしめて
一筋流れた血を拭う
ゆっくり毅然と顔をあげ
暴君はこう言った

「さぁ、撃つがいい」

思い出は記憶の中
鮮やかな彩りで
のちの人々は軍を棄て
嗚呼、
民主主義へと変化する

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