126 「大浴場っ?!行きたい行きたい!!いいでしょ兄ちゃん…って駄目だぁー」 ベリーズの提案にハイジの元気が一瞬戻ったが直ぐにハイジは項垂れた。 「…皆で行って来てよ。俺はいいや」 ハイジはテーブルに突っ伏し、ため息をつく。 大浴場に行くと言う事は当然裸になるって事だからな。 「…行こうぜハイジ。俺が背中流してやるよ」 ゼロのその言葉にハイジはガバッと顔をあげた。 「…何とか言えよ」 目を丸くしてゼロの顔を見つめ言葉を失っているハイジにゼロはばつが悪いのか目をそらす。 「…ありがとうゼロ。スッゲェ嬉しー。俺もゼロの背中流してあげるー」 心底嬉しそうに微笑むハイジにゼロの顔が赤く染まった。 「僕も是非混ぜてください、やっぱり皆で入る方が楽しいですよね」 「ねー。じゃぁ3人で洗いっこしよう!」 楽しそうに話を進めるベリーズとハイジとは裏腹に俺の気分は落ちていく。 裸になる事に抵抗があるのはハイジだけじゃない。 とは言ってもハイジ1人で行かせるのも心配だ。 そんな俺の心の葛藤がわかったのかエドアンは小さく息を吐いて優しい笑みを浮かべた。 「大丈夫だクララ。俺も一緒なんだから悪いようにはならねぇよ」 エドアンのその言葉には説得力があり拒否する理由が見つからなかった。 少なくともこいつらならハイジの体を見ても、俺の素顔を見ても態度を変えたりはしないだろう。 今のゼロとハイジのやり取りと、俺達がDark holeを壊滅した事を知っても態度を変えず接してくるベリーズにそんな淡い希望を抱き俺は皆と共に大浴場に行く事にした。 食堂を後にした俺達は一度ネバーランドに着替えを取りに戻り大浴場へと向かった。 大浴場は食堂と同じ階にあるらしく、俺達はロビーから食堂へ行く時に使う階段とは別の階段を使い3階に上った。 大浴場へたどり着くまでの間に囚人達が争っている所や1人の囚人を複数で取り囲んでいる場面を幾度となく見た。 俺達に向けられる視線も多く感じたがエドアン効果なのか誰も手を出して来なかった。 BackNext [戻る] |