5 「…悪い、何でもねぇから続けてくれ。俺が望んでいることだ、まだ俺に幻滅していないなら…お前の好きにすればいい」 クララは俺の目を見つめながらそう言うと、気持ちを落ち着かせるように深呼吸をする。 「…わかった。本当に俺の好きにするぜ?」 クララは俺のその言葉を聞いて固く目を閉じ、頷く。 俺はクララの服をテキパキと脱がせパンツ一枚にする。 同様に自分も服を脱ぎパンツ一枚になる。 「ちょっと待ってろ」 クララにそう言葉をかけ、俺はベッドから離れシャワールームへ足を運んだ。 取り合えず、熱くなっている体に水を浴びせ熱をさます。 体が冷えてきても治まらないものは自分で適当に処理し、俺は気合いを入れた。 再びパンツ一枚でシャワールームから出て来た俺を、クララは怪訝そうな顔で見つめている。 「一体何をするつもりなんだ…?」 若干うろたえているクララを見て何だか可愛いな、とほっこりしながらベッドに戻る。 「お前…こんな真冬に水を浴びたのか?」 「あぁ。死ぬ程冷たい水を浴びても、中々熱が治まらなくてまいったぜ」 クララは俺のその言葉を聞いて俺の行動の意味を理解したのか、顔を曇らせた。 そして、無言で俺の体を強く抱き寄せた。 冷たい肌に感じるクララの温もりが心地好くて、思わずクララを抱きしめる力が強くなってしまう。 「…悪い」 俺の体を少しでも早く温めようと、クララは体を密着させて俺の腕や背中を摩ってくれる。 「謝る必要はねぇって。前よりも良くなってるのがわかる。俺の肌の感触に少し慣れてきただろ?」 安心させようと笑って見せると、クララは俺の胸元に顔を押し当てた。 「俺は…」 クララは消えそうな声で、何かを訴えようとする。 「お前に触られると、心臓が破裂して死ぬんじゃないかって思うくらいにおかしくなる」 まるで、空気が止まるように。 俺の体はぴくりとも動かなくなった。 「触られるのが怖い訳じゃない。お前がゆっくり慣らしてくれたから、それはもう平気なんだよ」 もう何て言うか。 「…訳がわからなくなるんだよ。体が自分のものじゃないみたいに反応して、気を抜くと…直ぐに理性が飛びそうになる」 この、目の前の神々しくて、見惚れる程に男前過ぎる男はどうして。 俺の腕の中に居る時にだけ、こんなにも愛らしいのだろうか。 BackNext [戻る] |