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「…お前は優しいな」

そんな言葉が背中にかけられる。

「優しさなんてわからないよ」

ベッドに戻るとゼロの表情が強張っているのがわかった。

「何か、靴下だけってやらしいね」

ベッドに腰を降ろして靴を脱ぎながらゼロの緊張を和らげる為にそう言うと、ゼロの顔が一瞬で赤くなった。

「お…お前がしたんだろ…っ!」

慌てて毛布を体に纏い、靴下を脱ごうとするゼロの手を止める。

「俺が脱がせたいから、もう少し待って」

ベッドに上がりそう言うと、ゼロが堪えられないっと言った顔を腕で隠す。

「ゼロ、キスさせて」

俺がそうお願いすると、ゼロはゆっくりと腕を外す。

わかりやすく動揺しているゼロに何度も何度も、唇の感覚が麻痺するくらいにキスをする。

キスを繰り返しながら、ゼロの纏っていた毛布を剥ぎ、下肢へと腕を伸ばす。

指を滑らせるようにしてゼロの足に触れ、膝を曲げさせる。


ゼロの左足を俺の肩に乗せ、ゆっくりと靴下を脱がせているとゼロに胸を叩かれた。

「どうしたの?」

「ハイジ、ハイジ、ハイジっ!!」

急にゼロの様子がおかしくなって、俺は動きを止めた。

「ゼロ…?」

枕で顔を隠そうとするゼロから枕を奪うと、ゼロは真っ青な顔をしていた。

「あ…あ…あっ、やめろっ、やめろぉ…!!!」

突然暴れ出し、絶叫するゼロを見て一瞬硬直してしまった。

だけど、直ぐに何がゼロをそうさせているのかわかった。

俺は暴れるゼロを強い力で抱きしめた。

「ゼロ、ゼロ。俺だよ、ハイジだよ」

暴れ続けるゼロに、俺の名前を伝える。

すると、ゼロはハッとしたように俺の顔に触った。

「あああぁ…俺…あっ…」

ゼロが俺を認識してくれたことに安堵しながら、俺は激しい怒りを感じていた。

「違っ…ごめんハイジ…俺、変だ…ふっ…ぅ…お前が…小百合に見える…」

ゼロは涙を溢れさせ、嗚咽まじりにそう訴えてくる。

俺は怒りを拳にため、何とかやり過ごす。

「ゼロ」

俺はゼロの顎を固定し、ゼロの瞳を覗き込む。

「小百合に何されたのか、俺に教えて」

俺がそう言うと、ゼロは怯えるように目を泳がせる。

「ゼロ」

俺はもう一度ゼロに頼む。

「小百合が、ゼロの体をどう触って扱ったのか、俺に教えてゼロ」

俺が真面目にそう頼むと、ゼロは唇を震わせながら、ゆっくりと全てを話してくれた。


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