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チェシャ猫の言葉の意味が理解できず眉を寄せると、チェシャ猫は俺の顔を捕らえるように右手を伸ばした。
チェシャ猫は子供をあやすように俺の頭を撫でながら、言葉を吐き続ける。
「俺の色は神レベル。お前の色は冷たいキラキラ。ダーリンの色は優しくて温かい黒。
いろいろあるけど、俺の色が他に負けることなんてまず有り得ねぇの。
だからお前も誰にも負けることがねぇ訳だよ。わかる?」
からかうようにそう問いかけてくるチェシャ猫に、無言で眉間のシワを深くするとチェシャ猫は一瞬だけ優しい笑みを浮かべた。
しかしその直後、お兄ちゃんって不幸すぎてまじうけるー、と指を指されて大笑いされた。
俺が笑い転げるチェシャ猫を放置してネバーランドに戻ったのは言うまでもない。
END
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