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「冷たいキラキラ」


「なぁ、聞いてもいいか」

「何?」

「楽しいか?」

「うん。とっても」

俺の膝に頭を乗せ、ふにゃりといつものふざけた笑みを浮かべて俺を見上げるチェシャ猫に、俺は正直困惑していた。

なぜ俺は、ロビーのソファでチェシャ猫に膝枕をしてやっているのか、どうしても理解が出来なかったため、自分の行動を振り返ってみた。

夕食後ネバーランドに戻り、パトロールに出掛けるエドアンを送り出した後にこいつは現れた。

「暇だから遊んでお兄ちゃん。ラクハは俺と仲良しだから遊んでくれるよね。遊んでくれないとネバーランドを襲撃しちゃうにゃー」

そう言ってふざけた笑みを浮かべて俺を脅迫してくるチェシャ猫に、半ば強制的にロビーまで連れて来られた。

騒がしかったロビーはいつものようにあっという間に俺達だけになり、すっかり静まり返ってしまったロビーを俺は見渡す。

静かな環境は嫌いじゃない。

そう思いチェシャ猫に促されるままにソファに座ったその数分後、まるでベッドに横になるようにチェシャ猫は俺の膝に倒れこんだ。

俺はチェシャ猫を本当に猫みたいなやつだと思いながら、チェシャ猫を観察することにした。

「ねぇラクハ、お前って本当に全身の毛があんなキラキラしてんの?」

「…何の話だよ」

「いや、だから毛の話。この間お前のあそこのヘアーがあんまり綺麗だったからさぁ。でも基本的にお兄ちゃんって毛が薄いよね」

俺はこいつを変態だと認識している為別に驚きはしないが、変な脱力感に襲われた。

「…知るかよ。自分の体に興味がねぇ。お前だって全身その色なんじゃないのか」

「まぁそれはそうなんだけど。何か不思議な感じがしたんだにゃぁ」

「意味がわからねぇ」

チェシャ猫は俺のリアクションを面白そうに笑う。

「俺思うんだけどさ、お前のその冷たいキラキラってお前の内面から出てるんじゃねぇの?」

「どういう意味だ」

「いやだからさ、お前鬼畜でどSでいろいろと最低過ぎるサディストじゃん」

「それは俺に喧嘩を売ってるのか?」

「違うって、愛してんだよ。憧れてんの」

「説得力がねぇ」

「まぁ聞いてよ。それでさっきの続きなんだけどさ、お前のその氷のように冷たくて神秘的なキラキラはお前の心の色なんじゃないかって思ってさ」




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