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しばらく3人で雑談していると兄ちゃんが戻って来た。

「ノアもチェシャ猫も了承済みだから安心しろ。一応着替えも持って来た。よくわかんねぇけどこれで良かったか?」

兄ちゃんがそう言って2人に着替えを手渡すと、2人はびっくりしながらも2人なりに兄ちゃんにお礼を言った。

「あんまり夜更かしするなよ」

「うん。ありがとう兄ちゃん。おやすみなさい」

最後に兄ちゃんにハグをして兄ちゃんが出て行くのを見届けると2人の異変に気がついた。

兄ちゃんが出て行ってからも2人は目を丸くして固まったままだった。


「どうかしたの2人共」

「…今の何だよ。兄ちゃんって…嘘だろ。お前の顔から大体予想はしていたがあれはねぇだろ。詐欺だぜ」

ワンワンは納得のいかない様子で顔をしかめている。

そう言えばワンワンは兄ちゃんの素顔見た事なかったっけ、と1人納得する。

兄ちゃんが素顔だったって事はシャワーを浴びてからここに来たって事で。

俺達のいる房を一度通り過ぎてまで急いでシャワーを浴びたかった兄ちゃんの心情から考えると、ロゼにまたどこか舐められたかキスされたんだと思う。もしかしたらノアのおじさんにもセクハラされたのかもしれない。

それなのに俺達に一切不満を漏らさない兄ちゃんは相変わらず凄いと思う。

「俺の中の最強に綺麗で超絶な男前は兄ちゃん以外考えられない。俺もあぁなりたいけど血が繋がってねぇもんなぁ…」

「えらくあっさりカミングアウトするのな、お前」

「…え?何が?」

不思議そうな顔をするワンワンにそう聞き返すとワンワンはらしいけど、と笑みをこぼした。

「ってか何かまじショックなんだけどー、ロゼさんって面食いだったのかよ〜、道理で鳥人間を毛嫌いしてる訳だ」

ワンワンはベッドにゴロゴロと転がりながら色々と納得がいっていないのか悶え始める。

「面食いって言うのもあると思うけど、猫さん兄ちゃんテクニシャンって言ってたからそっちじゃないかな…」

「やめろっ!そんなの聞きたくねぇ!俺の理想をぶち壊すんじゃねぇ」

「おいやめろっざけんなよてめぇ、俺の姿でキモイ真似してんじゃねぇよ!」

両手で耳を塞ぎジタバタともがいているワンワンを見てシンは怒っている。

俺はそんな2人を面白いなぁと思いながらシャワールームへと入った。

結局2人は翌朝には元の姿になっていて、心配する事はなかったみたいだった。


ーendー


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