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「…っ……」
ゼロは俺の顔を見ることが出来ないくらいに、体を固くし怯えきっている。
ぎゅっと閉じられた瞳が痛々しくて、胸が苦しくなる。
「ゼロ」
ベッドに上がり、ゼロの頬に触れるとゼロの体が大きく揺れた。
「ゼロ、目を開けて」
ゼロの顔の輪郭に指の背を滑らせるようにして、優しく撫でる。
俺の言葉に反応し、恐る恐る目を開けるゼロの瞳にははっきりと恐怖が浮かんでいた。
「俺が怖い…?」
ゼロの額や目尻、頬に触れるだけのキスを送りながらそう尋ねると、ゼロは俺の胸元を掴み、握り締めた手に力を込める。
「こわく…ねぇ」
「嘘つき」
「っ、違う…お前は怖くない!お前が怖いんじゃない…」
「ねぇゼロ、ここには俺しか居ないよ」
「当たり前だろ、だからここに連れて来たんだろ?」
まだよくわかっていないゼロにもどかしさを感じながら、俺はゼロの額に自分の額を押し当てる。
「そうだよ、ゼロが安心出来るように二人きりになりたかったんだ。ゼロ、もう大丈夫だよ。俺以外誰も見てない」
「な…に言ってんだよ」
ゼロの瞳の奥に僅かに見えた動揺が、俺の心を温める。
「もう頑張らなくてもいいんだよゼロ」
俺のその言葉を聞くと、ゼロは顔を歪め、俺を睨みつけた。
「何で…そんなに優しくするんだよっ!
馬鹿な奴だって笑えばいいだろ…」
「笑えないよ。だってゼロ泣いてるもん」
「泣いてねぇ」
「泣いてるよ。助けてって聞こえる」
「やめろよ…これ以上みっともない所、お前に見られたくないんだよ」
「どうして?」
俺のその問いに口を閉ざしてしまったゼロの唇にキスをする。
「俺は見たいよ。ゼロの弱い所。ゼロが涙でぐちゃぐちゃになってる所が見たい。気持ちよ過ぎて泣いてるゼロが見たい。恥ずかし過ぎて、耐えられなくて泣いてるゼロとか、もっと…って俺にねだる所とか。ハイジ俺を無茶苦茶にして、とか、やらしいこととか、沢山言わせたりしたいなぁ…」
まだまだ言い出したらきりがないなぁと思っていると、ゼロの顔がいつの間にか真っ赤になっていた。
「覚悟してたけど…、やっぱりお前へ…変態だろっ!!何で泣き顔ばっかりなんだよ!」
「あれ?何でだろ?何かゼロが泣いてる所を見ると体が熱くなって、ブレーキが壊れちゃう感じがして大変なんだぁ」
どう思う?と聞くと知らねぇよっ!!と返ってきた。
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