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「どこまですればお前らは理解ができるんだろうな。

…教えろよ。どうしたらハイジに危害を加えなくなるんだ?殺さないと理解が出来ない程にお前らは愚かなのか?」

俺のその問いにも何も答えずにただ体を震わせ立ちすくみ、ひたすら助けを待っている囚人達に俺は小さく息を吐き出す。

「今回の件を利用すればノアに貸しを与えることが出来る。だからお前らを直ぐに殺すつもりはねぇ」

俺の言葉を聞いて囚人達の表情に安堵の色が見えた。

「お前らの生死を決めるのは俺じゃなくハイジだ。助かりたい奴はハイジに泣いて縋るんだな。そこに真実があればハイジはお前らを殺すことはしねぇ」

ただし、偽りがあればハイジが狂気にのまれる前に俺が始末する。

その言葉は告げずに飲み込んだ。

「じゃあ、見逃してくれるのか?」

期待に満ちた瞳を俺に向けてくる囚人達を疑問に思いながら、俺は近くにいた囚人の腕を掴んだ。

「…取り敢えず二、三本いっとこうぜ。話はそれからだ。足と腕、潰されるならどっちがいい。選ばせてやる」

感情の入らない声で静かにそう告げると、腕を掴んでいる囚人は膝を大袈裟に震わせ、足元に水溜まりをつくった。

失禁するようなことを俺は言った覚えもなければ、寧ろもどかしさを堪えているくらいにハイジの為に殺さない決断をしているというのに。

何故そんなにも怯えた目を俺に向けるのか俺には理解が出来なかった。

俺は俺の問いに答えず暴れ、抵抗するその囚人の右腕を絡めとり、力を入れて捩った。

乾いた軽い音が聞こえたのと同時に、その囚人は苦痛に叫び恐怖に顔を歪め床の上で丸くなった。

「ハイジを泣かせたことを後悔させてやるよ。二度とハイジに対して妙な気を起こさねぇようにな。こんなもんで許されると思うなよ。俺の忠告を無視してハイジに手を出したらどうなるかって事を理解させてやる」

俺はノアの箱船の囚人が仲間を置いて逃げ出さないことを利用して、順番に利き腕か足のどちらかを潰していった。

そして謝罪しか口にしなくなるまで痛みを体に覚えこませた。

加減をしているつもりだったが、上手く出来ているのか少し自信がなかった。

心の底で、ハイジがこいつらを殺して欲しいと訴えてくる事を望んでいる俺がいる。



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あきゅろす。
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