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俺は必要のない罪悪感を抱いてしまう自分に心の内で舌打ちをする。
階段を降りながら、下から漏れ聞こえてくる歓声や叫び声に耳を傾けているとベリーズに右腕を軽く引っ張られた。
「そう言えばクララさんは試合が終わってから船長とデートなんですよね。楽しんで来てくださいね、船長やクララさんには息抜きをする権利が十分過ぎるくらいにあります」
ベリーズは俺が思わず聞き流してしまいそうになるくらいに自然に言葉を吐き出す。
「…デート?何だそれ」
聞き慣れない単語に思わずそう聞き返すと、ベリーズとゼロが目を見開き同じタイミングで俺の顔を見上げた。
2人は信じられないと言った顔で俺を見つめてくる。
「で…デートって言うのは恋愛感情を抱いている相手と2人っきりで過ごす事ですよ。…クララさんはある意味奇跡の人かも知れませんね。質問何ですが、クララさんって誰かにムラムラしたりとかってするんですか?」
「おぃチビッコ。何つー質問してんだよ、クララを何だと思ってんだよ」
「いやだって絶対に想像出来ないじゃないですか、クララさんがリズみたいに誰かれ構わず口説いている姿なんて」
「クララだったらそんな事しなくたって向こうから腐る程寄ってくるだろ」
ゼロがそう言うとベリーズはあぁ…確かに、それもそうですね、と深く頷く。
…恋愛感情を抱いている相手と2人っきりで過ごす事。
俺とエドアンにそれが当てはまるのかどうか疑問だな。
ムラムラって言うのは性的に興奮するって言う解釈でいいんだよな?
初めてされる質問に戸惑いながら俺は何と答えるべきか考える。
「自分からそう言う感情を抱いた事は無いな」
「クララさんってもしかして女嫌いなんですか?」
「…まぁそんな所だ」
俺がそう答えるとベリーズとゼロは顔を見合わせた。
「お前らはどうなんだ?」
変な間が出来る前にそう聞き返すとベリーズはゼロの顔を覗き込んで笑みを浮かべた。
「ゼロは大変ですよねー?ハイジさんって無防備って言いますか、性欲とかには無縁な感じがしますし」
からかうようにベリーズがそう言うとゼロは反論するべくすぐさま口を開いた。
「ばっ…お前…っ!性欲とは無縁?どいつがだよ?!みんなあの顔に騙されてんだよ!あいつは見た目はあんなだけど普通ーに男だぜ。つーか、たちが悪過ぎる!力はつえーし、強引だし、何かエロいし、とにかくあれは詐欺だ」
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