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「やったぁ!!兄ちゃんありがとう〜!」
俺とワンのやり取りを見てハイジは嬉しそうに笑い、俺に抱きついてくる。
「知らない奴についていくなよハイジ。ワンの側にいろ、絶対に1人になるな」
ハイジは余程嬉しいのかニコニコしながら何度も頷く。
「兄ちゃんは今日どうするの?猫さんのお見舞いに行くの?」
「…行かねぇよ、昨日見舞いに行った事で義理は果たした」
医務室での昨日のチェシャ猫とのやり取りを思い出しうんざりしていると、ワンが俺に突然掴みかかってきた。
「てめぇっ、ロゼさんのあの美しい体を弄んでおいてよくもそんな事を…!」
ワンは俺の胸元を乱暴に掴む腕を小刻みに震わせ、怒りをぶつけてくる。
ワンのその発言によって、目の前で成り行きを見守っていたエドアンは口元を手で覆いやっぱりそうなのか、と言った顔で俺を見つめる。
そしてゼロとベリーズに関して言えば、複雑そうな顔をして若干引いた目で俺に目を向けてくる。
「…人聞きの悪い言い方はよせ。うっかり殺しそうにはなったが弄んだ覚えはねぇ」
ワンの腕を乱雑に引き剥がしながらキッパリとそう言い切ると、ワンは打ちひしがれるかのように床に崩れ落ちた。
「り、理解が出来ねぇ…何でロゼさんはこんなひとでなしを好きに…っ?!」
「俺が聞きてぇよ」
敵意むき出しのワンに頭痛がし始める。
「何をしてロゼさんをたらし込んだのかは知らねぇけど俺はてめぇを認めてねぇ。ロゼさんを泣かせやがったらぜってー許さねぇからな」
そう言って俺を睨みつけてくるワンに、俺は内心泣かせた方がチェシャ猫は喜ぶんじゃないかと思ったが、こんなにもチェシャ猫を尊敬し、したっているワンにチェシャ猫の変態性を説明するのもどうかと思ったので俺は口を挟まなかった。
「あははは、ワンワンって本当に猫さん大好きなんだね。
だけどさワンワン。俺の大好きな兄ちゃんをあんまり悪く言わないでよ。俺、兄ちゃんの悪口言われんの許せねぇから」
にっこりと笑いながらそう言うハイジを見てワンは一時停止した後、笑みを零した。
「悪かったよハイジ、今度からはお前の兄貴の愚痴をこぼす時にはお前の居ねぇ所でする」
ニコニコと笑いあっているハイジとワンはなんとも不思議な感じがする。
「まぁいい。後で図書室に顔出せよハイジ」
ハイジとのやり取りで機嫌がよくなったのか、そう言ってワンは機嫌よくこの場を離れて行った。
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