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「…お前やっぱり俺と仲良くなる気ねぇだろ」
「何をおっしゃいますか、俺をこんな体にしておいて。
今もお前の顔を見ただけで昨日のアレを思い出して体が疼いて仕方ないって言うのに。
俺にエディのような優しさを期待されてもねぇ。
俺がそんな人間に見える?
襲わないだけ感謝してもらわねぇと、俺もお前同様にいろいろ壊れてるんだから」
何を言っているんだとばかりに顔をしかめ、呆れたように首を左右に振るチェシャ猫に反論する気も消え失せる。
無言で立ち去ろうとする俺に後ろから、最低だの、冷たいだの、もう少し優しくしろだのと訴えてくるチェシャ猫の声を無視して俺は医務室を後にした。
―――――――――――
◇◇◇
ーside HAIJIー
「ハイジ」
夢の中で切なげに俺の名前を呼ぶ声とベットが軋む音が近くで聞こえる。
痛い。
だけどそれをどこか懐かしいと感じる自分に自分でも少し驚く。
ベッドに丸くなって体に染み渡る痛みをやり過ごしていると額に温かいものが触れた。
重く閉じていた瞼を開き体を仰向けにするとそこには可愛い子が1人。
もしかしてさっき聞こえた声は夢じゃなくて現実だったのかな。
「…どうしたのゼロ?足痛い?」
今日の労働中足を引きずっていたゼロの姿を思い出し、昨日より痛いのが酷くなったのかもしれないと不安になっているとゼロの顔が歪んだ。
「…何言ってんだよ。痛いのはお前だろ?」
僅かに潤んだ瞳を俺に向け心配そうに俺の顔を見つめるゼロを見て俺の顔は緩む。
額に乗せられたゼロの手の温度が心地いい。
男の子って言う感じの意志の強そうなゼロの顔を少し羨ましく思う。
俺なんて性別がよくわかんない顔だしね。
あぁ、何かゼロの顔見てたらお腹すいてきた。
ゼロってどうしてこんなにも美味しそうなんだろう。
ゼロは黙りこんでゼロに熱い視線を送る俺を見て何かを勘違いしたみたいで。
俺の手を両手で握りしめ、握りしめた手の甲に額を押し付ける。
「ハイジ」
何もそんなに哀しい声で俺を呼ぶことはないのに。
もしかしてゼロは俺が死ぬとでも思っているんだろうか。
俺にとってはこんなのは日常茶飯事なんだけどね。
きっと明日にはケロッとしてると思うんだけど…ゼロの深刻な顔を見ると言いにくいって言うか。
あぁ…どうしようゼロが泣きそう。
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