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そんなベリーズの言葉を補うように複雑そうな顔をしてゼロも口を開く。

「ラクハは無表情だし冷めてるからお前らが気にくわねぇのもわかるぜ?

だけどよく考えてみろよ。今無事で居られるのは、こいつが自らを犠牲にしてノアと話をつけたからだ。

俺達を2日間エデンとノアの箱船の奴らから守る為に、ラクハとハイジは2日後2人だけでノアの箱船に行かなきゃならねぇんだよ」

お前らだったらそんな事が出来るか?とゼロは横目で俺を見ながら囚人達に訴えかける。

ゼロのその言葉にベリーズは僕は絶対に出来ませんと即答し、ゼロも俺も出来ねぇ、と顔を曇らせた。

囚人達はゼロのその言葉にばつが悪そうな表情を浮かべ、互いに顔を見つめあう。

「しかも今夜チェシャ猫は“ラクハさんを”襲いに来るんだそうです。そんな不憫なラクハさんをあまり責めないであげてください。どSだし、人間的にどうなんだろう?って思ってしまう事もありますが悪い人じゃないんですっ!!」

「ブラコンなだけだ。ハイジを守る為に手段を選ばねぇからって別におかしくはねぇだろ」


…これは俺を援護してくれているんだよな?

必死に俺を庇うベリーズと真面目な顔で話すゼロに俺は複雑な思いを抱いてしまう。

ベリーズに懐かれているのは何となくわかっていたが、ゼロが俺をそんな風に見ていたと言う事は正直意外だった。

こいつらはしっかり人を見ている。

俺が思っているよりもこいつらはガキではないのかも知れねぇな。

俺は心の内で渦巻いていた苛立ちが消えて行くのを不思議に思いながら口を開いた。

「俺はエドアンにエドアンが居ない時にお前らを守るように頼まれた。だから俺はお前ら全員を生かした状態でエドアンに会わさなきゃならない、勿論俺達の為にだ。

俺にそんな事を頼むくらいだ、相当キツいんじゃないのか?お前ら全員の面倒をみるのは」

俺は一度言葉を切り、囚人達の反応を窺う。

ネバーランド内に居るほぼ全員の人間が、身に覚えがあるのか目を泳がせ、思案し始める。

その様子を見て、何故エドアンが俺達の存在を嫌がらずに快く受け入れ、喜んでいたのかを痛感した。

そして、それと同時にエドアンの奉仕精神はやはり異常だと再確認させられた。




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あきゅろす。
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