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エドアンでも処理出来ない問題を俺にどうしろって言うんだ。
残りの最大の敵をどうやって攻略するべきか頭を痛めていると、ちょうど四階へと続く階段を上り終えた辺りでベリーズが何かに衝突した。
「…今日は俺にとっての厄日だな」
シン・アベルはベリーズが衝突した人物を見てウンザリしたように溜め息をつく。
ベリーズの方を振り返りみるみる顔を怒りで歪めて行くその男に、ベリーズの顔がたちまち青くなる。
「…悪い、今のは俺が難しい事を聞いていたせいだ」
俺は目の前の男に半ば同情しながらベリーズに怒りの矛先が向くその前にそう謝罪する。
「…またてめぇか…、よっぽど俺に恨みがあるんだな?それとも新手の告白か?俺を舐めるのもいい加減にしろよてめぇら」
さすがに三度目ともなると言い訳も出来ねぇ。
青筋をたてて俺とベリーズに食ってかかってくる何とも奇抜な身なりをした男に困惑していると、ハイジが俺達に助け舟を出した。
「あ〜ワンワンだぁ」
嬉しそうにそう言うハイジにワンはビクッと体を震わせ、体を硬直させる。
そして恐る恐る後ろを振り向きハイジの姿を確認すると安心したように深い溜め息を吐き出した。
「…何初対面でいきなり馴れ馴れしく俺に話かけてきてんだよ?その呼び方で呼ばれると生きた心地がしねぇっつーの」
「これから俺達図書室に行くんだよ〜?はじめましてワンワン。俺ハイジ、よろしくね!」
「…この、俺の話をまるで聞いてねぇ感じ。何だろうな、お前とは初対面な気がしねぇんだけど」
ニコニコと笑いながら空いた方の手を差し出すハイジの手をワンは不思議そうな顔で握りかえす。
「って今はそれよりもお前らを殴る方が先だ」
思い出したように再び俺達に拳を振り上げてくる男に、今日は殴られる日みたいだな、と冷静に考える。
だがその拳は振り下ろされる事はなかった。
「折角こいつの怒りが収まったって言うのにやめろ。殴るんなら俺の居ない所でやれよワン」
ワンはシン・アベルに寸前で阻止された拳を乱暴に振り解きながら顔を上げた。
シン・アベルの存在に気がつくと男は不思議そうに顔をしかめる。
「…何でお前がこいつらと一緒に居るんだ?」
「…言うな、俺にもわからねぇ」
まじまじと顔を見つめるワンに、シン・アベルはばつが悪そうに小さく舌打ちをした。
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