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図書室に向かう途中ネバーランドの囚人がリンチにあっている所に度々遭遇した。
昨日の俺なら素通りしている所だが今回はそう言う訳にもいかず、俺は仕方なく救出作業を行う。
「自分が大事なら1人でウロウロせずにネバーランドに戻って他の奴らと一緒にいろ。固まってる方がまだ安全だからな」
助け出した同胞にそう告げ、他のネバーランドの囚人達にもそう伝えるように頼む。
自ら争いに首を突っ込む奴や俺の忠告を聞かない奴。
そして本気でこの2日間を生き残りたいと思っていない奴に関しては、俺は全くもって助けるつもりはない。
エドアンならネバーランドの囚人だと言うだけで無条件で手を差し伸べるのだろうが、生憎俺にそんな余裕はない。
まぁ余裕があったとしても助けねぇとは思うが。
「エドアンはいつも問題が起きた時、どうやって処理してるんだ」
1秒も時間を無駄にしたくないと言う思いでベリーズにそう尋ねると、ベリーズも俺に情報を提供するべく直ぐに口を開いた。
「そうですね…例えば一方的にこちらが暴行を加えられた場合は、一度目は被害者に謝罪するように促し、二度としないように相手側に忠告するんです。
船長が自ら手を出すのは二度目以降、或いは話が通じない相手や場合、被害者が余りにも悲惨な状態に陥ってしまった時なんかです。
船長は自ら進んで暴力をふるうタイプの人ではないので、基本的には船長の熱い説得や謝罪等でその場を抑えてます」
「説得だけでおさまるものなのか?」
「何て言いますか…熱いんですよね、船長の説得は。ここに居る囚人は皆、船長が極度の平和主義者で優しく人当たりのいい事を知っているので大体はおさまりますね。
Gleam holeで一番権力を持っていながら権力を振りかざさないなんて船長位ですよきっと。
船長を本気で怒らせるとどう言う目に会うかを皆知っていますし、大人しく引き下がった方がいいんです。
まぁ、これはあくまで一般人レベルの囚人のケースですけど」
…一般人レベル、つまりはトップクラスが直接関わってくるような場合は穏やかにはすまねぇって訳か。
納得は出来る。チェシャ猫やノアが素直にエドアンの言う事を聞くとは思えないからな。
チェシャ猫を怒らせて夜中にネバーランドに乗り込まれた際に、悲惨な事になるとエドアンが嘆いていた理由が改めて理解できた。
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