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「なんつーかお前らやっぱり特殊だぜ。お前らと居ると一瞬ここが刑務所だっつー事を忘れちまう。なんかもう異次元だよな」

しみじみとそんな事を口にする鶏の言葉の半分位意味がわからなかったが深く尋ねるのはやめた。

「医務室に寄って行くから先に戻っててくれ」

大浴場を出る前にベリーズとゼロにそう告げるとエドアンは表情を曇らせた。

「俺もついて行くか?お前らだけだと確実に絡まれるぜ」


「いやいい。これ以上お前に迷惑はかけたくねぇからな。それに絡まれるっつったってチェシャ猫やノアに絡まれる事を思えばなんて事ねぇよ」

そう返す俺にエドアンは頼もしい限りだぜ、と嬉しそうに俺の肩を叩く。

「お前ら身ぐるみ剥がされねぇように気をつけろよ〜」

背後からひらひらと片手を振ってみせる鶏に俺は眉を寄せる。

「俺が居るのにハイジにそんな事させねぇよ」

俺がそう言うと鶏は煙草をくわえながら違う違う、と首を振る。

「ハイジもだろうが、お前もだラクハ。寧ろお前の方が狙われると思うぜ?皆お前の素顔を見たがってるからな」

「ハイジならわかるが俺に興味を持つ意味がわからねぇよ。奇特な奴が居るんだな」

もしかしたらそいつは昨日の新人歓迎パーティーに参加しなかったのかもしれねぇな。

俺のこの気味の悪い色をした髪を見た奴がそんな事言うとは思えねぇ。


「…エド、こいつちょっとアレだな」

妙なものを見るような眼差しをして煙を吐く鶏にエドアンは困ったような顔をして相槌をうった。


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あきゅろす。
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