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◇◇◇


「今日C班で何があったのか教えて欲しい」

乳白色の湯船に浸かりながら、俺は最も聞きたかった事を鶏に尋ねる事にした。

鶏は広い浴槽でハシャイでいるハイジ達の方を見ながら口を開いた。

「ハイジはたいした奴だぜラクハ。食われるどころか1日でノアのお気に入りになっちまいやがった」

「…どう言う事だ?」

眉を寄せて詳細を尋ねる俺に、鶏は黙って俺達の話を聞いているエドアンの反応を窺いながら話し始める。

「ハイジとゼロがガレージに連れ込まれててよ。

ガレージからアイツらを連れ出す時にノアがハイジに、

お前は顔パスでノアの箱船に入れてやるからいつでも遊びに来いっつってた」

そこまで言って何故か目を泳がせている鶏にエドアンがリズ、と責める口調で奴の名前を呼ぶと鶏は急に焦り始めた。

「ち、違うんだエド。面倒だからって放って置いた訳じゃねぇんだ。

俺はちゃんとハイジに言ったんだぜ?何かあったら俺を呼べってよ。

それなのに何にも言わねぇで姿消しやがって、俺は汗だくでハイジとゼロを探し回ったんだ。それにアイツらは無事だ、ノア達にヤられてねぇ。これは絶対だ」

必死にそう弁明する鶏にエドアンはわかったよ、と諦めたように鶏の肩を叩いた。


「まぁ要するに、ハイジとゼロに何があったのか見てねぇんだろ」

そうぼやくエドアンに鶏は観念したように頷いた。


「別に気にしなくていい。お前が居るってだけでラッキーな方だ。初めからそんなに期待してねぇよ」



俺がそう言うと鶏は一瞬歓喜した後複雑そうな顔をした。


ハイジがノアに酷い目にあわされて無いと分かっただけで十分だ。

ハイジと鶏の話を聞く限り、ハイジの服を脱がすような事はあったようだがハイジは自力で乗り切ったみたいだからな。


「あっ、兄ちゃん。今度ノアの箱船に遊びに行ってもいいー?」

「いい訳ねぇだろ。絶対に駄目だ」

思い出したようにそう尋ねてくるハイジにそう即答するとハイジは不満そうな声を出した。

「じゃぁアリスの森は?」

「…論外だ」

あり得ないとばかりに顔をしかめる俺にハイジは、猫さんさっき遊びに来てもいいって言ってたじゃんかー、と項垂れた。




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