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鈍い呻き声をあげて崩れ落ちる鶏を無視して俺はハイジの髪を洗い流してやる。
「何だよ」
「いや、そうだよな…お前は見た目は天使でも危険な奴なんだよな」
俺と鶏を交互に見て考え深げにそう溢すエドアンに眉を寄せながら鶏の方に視線を移すと涙目で睨まれた。
「酷いぜラクハ、何もマジで殴ることはねぇだろ」
「口で言って止めねぇからだ。それに加減はしてやった」
俺がそう言うと鶏はマジかよ、と顔をひきつらせた。
まぁハイジとノアの間に何があったのか聞きに行く手間が省けたな。
「丁度良かった。船長、これってシャンプーですか?誰かが忘れて行ったみたいなんですけど」
そう言ってベリーズがゼロの手元から謎のピンクの液体が入ったボトルを引ったくり、エドアンに手渡すとエドアンは顔をしかめた。
「ったく、誰だよ。こんなもんココに放置して行くなよなぁ…。ベリーズ、これはシャンプーじゃねぇ。ローションだ」
エドアンが困った顔でそう言うとベリーズは微妙な反応をした。
「あぁ…、そうなんですか。使わなくて正解でしたね」
「ローションて何に使うんだ?」
微妙なリアクションをする2人にそう尋ねると2人は目を見開いた。
ゼロとハイジも俺同様何なのかピンと来ないらしくエドアンを見つめる。
答えを催促する視線を送る俺にエドアンは口端を上げて悪い顔をした。
「クララ、これは俺とお前がこれから沢山必要になるものだ」
俺とエドアンがこれから必要…、傷薬か何かだろうか。
「そんなにそれは万能なのか?」
「万能っつーか、これが無いと入れる時にお前が痛い思いをするしな」
使わないと俺が痛い思いをするのか…?
…それに入れる時って何を入れるんだ。
全く意味が分からないと顔をしかめる俺を見てエドアンは悪戯をする子供のような笑みを浮かべている。
そんな俺とエドアンのやり取りにピンクの鶏が吹き出した。
「エドなんかじゃなくて俺と使おうぜ〜?何なら今すぐにでも」
…変な誘いだな。
笑いながらそんな事を言う鶏に俺はローションが何に使うものなのかわかった。
入れる時に俺が痛いだと?
…ふざけやがって。
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