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「ハイジさんその体…」
腰にタオルを巻きながらベリーズ同様タオル一枚になっていたゼロとハイジの方を見てベリーズは言葉を飲み込んだ。
ベリーズは少しの間停止した後、いい意味で俺達の期待を裏切った。
「顔に似合わずいい体してますね…。何か僕ショックですよ、その姿だとハイジさんが男なんだなって納得出来ます」
何気に酷いベリーズのその言葉にハイジは嬉しそうに笑った。
「凄いでしょっ!俺ここに来るまでに頑張って体作ったんだぁ」
「僕も鍛えようかな、せめてゼロ位にはならないと…」
「んな事より早く入ろうぜ」
肌寒さに腕を擦りながら浴室に入って行くゼロを追いかけるように中に入って行くベリーズとハイジに俺は心の内で安堵の息を吐いた。
心配する必要は無かったみたいだな…。
ハイジが嬉しそうにしている事に安心しながら俺もバンダナと眼鏡を外し自分の囚人服に手をかける。
丁度上着を首から外した所で何処からかエドアンが戻って来た。
「何か問題か?」
「いや、念の為に見張りを頼んでただけだ」
凄い念の入れようだな。
俺達にとってはありがたいが。
ズボンのボタンに手をかけていると強い視線を感じた。
「……そんなに見られると脱ぎにくいんだが」
「気にするな」
少年のような爽やかな満面の笑みで俺の体を見つめるエドアンを視界に入れないようにして俺はズボンを足から引き抜く。
男の、それも俺の体なんか見て何が楽しいんだ?
頭に疑問符を浮かべながら腰にタオルを巻いていると突然背中を触られて体が強張る。
「天使なのに翼は黒いんだな」
その言葉でエドアンの視線の先にあるものがわかる。
エドアンは俺の背中全面を使って彫られた禍々しい、俺を悪魔だと知らしめるように存在する黒い羽根に指を滑らせた。
「俺は…天使なんかじゃねぇよ」
「それは羽根が黒いからか?それとも別の意味でか?」
「…両方だ。俺が頑張った所で他人に与えるのは不幸と地獄だけだからな」
あまりこの事には触れられたくなくて浴室へと向かおうとするがエドアンはそれを許してはくれなかった。
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