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短編 うみねこ
●liberty 


今日も平和だ…
窓から見える景色は変わらない。
私はこの限られた世界だけを見て毎日を過ごす。


‐自由



『…外、か』

外に出たいという思いはある。
けど…体が弱いために心配性な親に外出を止められている。
医者からはたまに位は良いだろうと言われているのだけれど。


窓の外に見入っているとガラッと扉が入って人が入ってきた。
そちらを見ると私の客では無いらしい。
相部屋の数少ない住人の客だった。


「よかったな、明日退院なんだろ」

赤い…失礼だがチューリップのような髪型の人が言った。
少し声が大きい。

「あぁ、またサッカーができる」

ベットの上の少年が嬉しそうに言う。
私も…外でスポーツがしたいな。
サッカーか…。


「クスッ…南雲声が大きいよ?他の人に迷惑だ」

「まったくだ、これだからチューリップは」

「うるせぇ、俺はチューリップじゃねぇ!!」


「だから、声が大きいよ」

そのやりとりに思わず笑ってしまった。
仲がいいんだな。
うらやましい。

今はこのへやには私以外に人はいないからある程度騒いでも大丈夫だ。

ふと、赤い髪の…チューリップじゃないほう(失礼)の人と目が合った。
一応にこっと笑う。
そしたら少し驚いた顔になってからまた、笑って

「ごめんね、煩くて…すぐ帰るから」

『あ、大丈夫ですよ?たまには賑やかじゃないとしんみりしちゃいますから』

それからまた窓の外を眺めた。
鳥が空に羽ばたいていく。

あぁ…アレが自由。



窓の外をみる私を赤い髪の少年が見つめ続けていたことを私はしるよしもなかった。


(ねえ、明日あの子を連れていこうと思うんだけど)(良いんじゃないか?私も気に入った)(…?誰のことだ)((見てなかったのかお前は))




あとがき

続けたい…
どうしよう




続きました→長・中編の「自由を求める籠の中の鳥」




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