短編小説 再会 4.7 「なあローズ」 [何かしら?] 「なんで上半身までなん?」 はやてがそう問い掛けたのは、日参(リアルタイム画像を見せてもらえるようになってから)3月ほど経った頃だった。 映像を見せて貰えるようになった当初は、「ちゃんと生きてる」と涙ぐみさえして見ていたし、それ以降も「あ、頬少し膨らんだ?」「肋骨少し隠れた?」と嬉しそうにしていたのだが… 肋骨も見えなくなり、筋肉も出来てきた(ように見える)事でキチンと確認したくなったようだ。ついでに「もう大丈夫」と安心したいのもあるのだろう。 じーー そんなはやての隣には、フェイト(はやてとほぼ同時に来ていた)となのは(一人遅れたけど問い掛けた途中から参加)が、音が鳴りそうなほどジッとローズを見ている。 [貴女達、自分の言った事理解してる?] そんな3人にローズは「呆れた」と画面全体で表し溜息までついてみせる。 「なんでや!」 そんなローズに憤慨して突っ込むはやてと、同じように憤慨して頷いているなのはとフェイト。 [ポッドに入ってるって知ってるでしょう?] 「「「うん」」」 [簡潔に言うけど、全裸なのよ?] 「「「…………」」」 [忘れてたみたいね。それじゃ、用があったら呼んでちょうだい] 肩を竦めて言うと、ローズの画面は消えた。 というか、話すなど用事が無い時はローズは画面を消してゆっくり過ごさせるのが常なのだ。 そして爆弾を落とされ放置されたその場に ゴクリ やけに大きな唾を飲む音が響いたが………発生源は特定しない。しないったらしない。 その後どうなったかなんて筆者は知らない。 全身画像を見せてくれと願った者がいた“かもしれない”が、それはあくまでも推測であり、真実は………皆様のご想像にお任せします。 [前へ][次へ] [戻る] |