無限者の一時 第1話 ガサガサガサ 「少年」 ガサガ 「僕ですか?」 周囲を見回して立ち上がった少年は、少年と言うにはおこがましい男児だった。 「何をしている?」 「食べ物を探しています」 振り返った少年のあまりの幼さと顔色の悪さに尋ねた少年は眉をひそめる。 「あ、すみません。きちんと片付けてすぐに行きますので」 だが、少年は己の行為への反応と捉え頭を下げると今まで漁っていたゴミ袋へしゃがみ込む。中から廃棄処分となったのだろう弁当を取り出すと、周囲のゴミを集めて入れ、ゴミ袋の口を結ぶ。 「見苦しい物を見せて済みませんでした」 少年は再び少年に向き直ると頭を下げ、弁当を持って歩いて行った。 ―――これが最初の出会いだった――― [次へ] [戻る] |