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Trip Sisters!
彼女と委員長




並中、屋上ー

屋上から聞こえる激しい金属音。
荒い息。
コンクリートの床に散らばる数滴の血。
こんな状況普通屋上じゃ起きませんよ。

雲「ワォ、ホントに強いんだね。君」

「あ、ありがとうございます…」

雲雀さんが振りかざすトンファーをかわしながら攻撃をする。
朝方6時からずっとこんな状態。


遡ること数時間前、それは寝る前に少し雲雀さんのお話しを聞いていた時です。

「え、雲雀さんって戦うことが好きなんですか?」

雲「うん」

思いきって雲雀さんの好きなものって何なんですか?なんて聞いたのがそもそもの間違いだったのかもしれない。

雲「君は、強いの?」

「うーん…握力には結構自信ある方だと思いますけど…実際にはどうなのか」

雲「じゃあ、戦ってみる?」

「……え?」



と、こんな感じでいまの状態に至るというわけです。
まさか戦闘大好きだったなんて…。

ヒバードとか小動物が好きだよみたいな答えが返ってくると思ってたのに…。

雲「何考えてるの」

「!」

危なーい!!
回想してたからぼーっとしてて、雲雀さんの攻撃忘れてた!!!

雲「考え事だなんて、随分余裕じゃない」

「余裕って…!うわわっ」

ほんと戦闘のことになると容赦がない雲雀さん。
トンファーを振り回す音が風も切り裂いてますよ……。

雲「登校時間までまだまだ時間はたっぷりあるからね」

「あと2時間も戦わせる気ですか!?」

なんてこった……かなりの戦闘大好きっ子だ………!!
私の体力持つのかな…。

?「そこまでにしてもらうぜ」

「!?」

突然、真上から聞こえてきた声と共に雲雀さんのトンファーを捕らえた鞭。

雲「誰…」

トンファーを取られて戦闘をストップされたことに不機嫌オーラを放出した雲雀さんは声のする方へと顔を向ける。

なんとなく誰かはわかるけど一応私も声のする貯水塔の方を見る。

デ「俺はツナの兄貴分でリボーンの知人、ディーノだ」

雲「ディーノ?」

金髪で首から腕にかけて刺青が施されている。

「跳ね馬のディーノ…」

雲「跳ね馬?」

デ「お、お前が主人公の名前か」

ディーノの目が私を捉え、貯水塔から降りて私をまじまじと見つめる。

「……初めまして、苗字主人公の名前です」

デ「お前のことはリボーンから聞いてる。かなりの強者らしいな」

「……さぁ、自分ではあまり強いと実感していませんけれど」

デ「ハハッ、ほんとに苦手なんだな俺」

「……」

そう。
私はREBORN!のキャラで3番目に嫌いな人物が跳ね馬のディーノなのだ。

アンソロでは高確率でディノヒバだし原作でも雲雀さんにちょっかい出してるし何より雲雀さんにあなたって呼ばれてる時点でもうディーノは大嫌いです。

雲「なんなの、あなた」

「!」

ついに私の前でっっっ!!!!!!
もうやだ、消えたい。

デ「お前が雲雀恭弥だな」

雲「だったらなに」

デ「今日からお前をカテキョーする」

雲「は?」

「……リング戦、だからですか」

デ「そうだ」

リング戦。
詳しくはボンゴレリング争奪戦。
独立暗殺部隊ヴァリアーとボンゴレファミリーが、ボンゴレリングを賭けて守護者同士の戦いをする戦闘。

雲雀さんはボンゴレファミリーの雲の守護者なので、当然これに参加する義務がある。

「私は…」

デ「お前は恭弥のサポートにあたれ」

雲「待って。僕はまだあなたを師だと認めてないし、リング戦に参加する気もないよ」

デ「でもな」

雲「僕はいま主人公の名前と戦ってたんだ。トンファー返してくれる」

デ「でもな、恭弥…」

「待ってくださいディーノ」

デ「主人公の名前?」

「私に任せてください」

こんな……雲雀さんにあなたなんて呼ばれる挙句、説得したのがディーノだなんて私のプライドが許さない。

雲「主人公の名前?」

「雲雀さん、これに参加して頂いた暁には…」

雲「なに?」

「私と、雲雀さんの気の済むまで戦闘をすることを約束致します」

雲「!」

雲雀さんのことだ。
私との戦いをディーノに邪魔されてまだ満足していないはず。
なら、それを賭ければ雲雀さんも納得してリング戦に参加してくれるはず!!

「どうでしょうか」

雲「……本当に、僕が満足するまで戦うの?」

「えぇ、構いません」

雲「…その言葉、忘れないでね」

「風紀委員長との約束ですもの、忘れる訳ありません」

雲「…………わかった」

「ありがとうございます」

よっしゃ!!!
これで今日の戦いはパーになる!
よかったー…これでぐったりすることなく学校生活が送れる!

それに、ディーノにも勝った!!

デ「よし。じゃあ今日の放課後から俺と修行だ」

雲「いまからでも構わないよ」

ディーノからトンファーを奪い取った雲雀さんは臨戦態勢を取った。
おぉう……ディーノがんば!

デ「今日はだめだ」

雲「どうして」

デ「お前ら朝方から戦ってたんだろ?少し休め」

雲「別に休まなくていい」

「あ、じゃあ私休んできますね」

デ「おう」

雲「主人公の名前」

応接室で仮眠を取ろうと屋上を出ようとした私の腕をつかんだ雲雀さん。
え、まさか………私とも戦う気ですか?

「はい……」

恐る恐る返事をしながら振り向く。
なんだかムスッとした顔をしている雲雀さん。

雲「君はここにいて」

「え………」

ど う し て で す か 。

この7文字が私の頭を占領した。
だってほんとにどうして私がここにいなければいけないのかわかんなかったから。

雲「いいから、いて」

「は、はい…」

とりあえず言われるがまま、屋上の隅っこに座りながら、強制的に開始された雲雀さんとディーノの修行という名の戦いを見ていた。

?「やってるなぁ」

「えっ?」

私が座っている隣から聞こえた少しゴツい声。

ロ「あ、ディーノの部下。ロマーリオってんだ、よろしくな、主人公の名前の嬢ちゃん」

「よろしくお願いします、ロマーリオさん」

どうやら私の隣にいたのはディーノの部下、ロマーリオさんだったらしい。
そうだ、ディーノは部下がいないとドジっ子になるんだった。

そうだよね…。
ロマーリオさんがいたからさっき雲雀さんのトンファーをうまく取れたんだ。
なるほど。

ロ「嬢ちゃんは…かなり強いみたいだな」

「そんな……そんなことないですよ」

雲雀さんやディーノに比べれば全然。
私なんて、ただ力任せにしているだけだもの。

ロ「いや、確実に強いぜ。力や能力に頼ってるわけじゃない。それは、雰囲気でわかっちまう」

「雰囲気で……?」

ロ「さっきの恭弥との戦い、ボスと見てたけど…主人公の名前の嬢ちゃん、ちゃんと自分の拳で戦ってたじゃねぇか」

「自分の拳で………?」

ロ「主人公の名前の嬢ちゃんの拳は…本物だったぜ」

「…………」

本物の拳、か……。
そんなの…もう私にはないのに。




リング戦で、私の本物の力……見つかるのかな。
そんなことを思った、朝方6時30分でした。


Fin*°



ATOGAKI*°
雲雀さんのトンファーって、Amazonに売ってるんですねwwwww
今日、東方projectのフィギュアが欲しくてAmazon漁ってたんですけどまさかトンファーあるとは思ってなくてびっくりしましたwww
買おうか悩んだけど使い道なかったんでやめましたwww
読んでくださりありがとうございます😊

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