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Trip Sisters!
姉妹が黒曜ランドに行くお話し



沢田家ー

リ「お前ら黒曜ランドに行ってこい」

ある日のこと、綱吉君家に遊びに来た私と綱吉君にじゃれていたお姉ちゃんにリボーン君がこんなことを言ってきました。

「え、黒曜ランド…ですか?」

リ「そうだぞ」

これまた突拍子もないことを…。
大方、リング戦で必要な霧の守護者であるあの人にちゃんと出場するようにと…脅し、と言ったようなことをしてこいということでしょう。

リ「お、よくわかったな主人公の名前」

「だいたい話しの流れと内容は漫画で勉強しましたし、わかってますからね」

まさかお姉ちゃんが本屋で一括買いしたREBORN!の漫画が、こんなところで発揮されるとは思ってませんでしたけど。

リ「主人公の名前は行く気満々だが、姉の名前はどうするんだ?」

硬直状態の綱吉君に抱きつきながらうなだれるお姉ちゃん。
綱吉君、ドンマイです。

姉「別に行くのは構わないけどー、主人公の名前姉がアイツに会ったときが怖いからあんまり行きたくないかなってのが本音ー」

リ「結局行きたくないんだな?」

姉「えへ☆」

遠回しに行きたくない発言をしたお姉ちゃん。
まぁ…実を言うと私も行きたくない。
あの人さえいなければ、行きますけど。

リ「なんだ、主人公の名前はそんなにあいつのことが嫌いなのか?」

「REBORN!で嫌いなキャラ、ランキング第2位に輝く嫌いさです」

これを言うとご本人に悪い気もしますが嫌いなものは嫌いなので言っちゃいますね。とにかく嫌いです。
見た目、話し方、戦闘体勢、性格。
何もかもが嫌い。

正直、会うのも怖いくらい。

リ「困ったな。ツナには行かせたくねーし…」

ツ「なんで俺は行っちゃいけねーんだよ!!」

怒りながら頬を膨らませる綱吉君。
なんだか可愛いけど、これにはリボーン君の考えがあってのことなのでしょう。
うーん…これは耐えてでも私達姉妹が行くしかないようですね。

「わかりました、行きます」

姉「お」

リ「大丈夫なのか?」

「…報酬は」

目を光らせてリボーン君を見つめると、言われるのを知っていたように私に何かを差し出した。

リ「お前なら言うと思ってな」

「なんですか、この箱」

ヒノキで作られたであろう長方形の箱。
何が入ってるんですか、これ。

リ「博多の高級たらこだ」

「!!!!!」

なっ……!!!
博多のたらこ!!?
しかも高級って…………!

リ「どうだ?」

「行かせていただきます」

リ「そう言ってくれると思ってたぞ」

姉「おおぅ、主人公の名前姉の買収が完了した…」

リボーン君と握手を交わして無事終了。
いざ黒曜ランドへ!!

姉「にしてもさー」

「どうしたの?」

黒曜ランドに向かってる途中、お姉ちゃんがめんどくさそうに呟いた。

姉「べつに私達が催促しに行かなくてもアイツなら普通に来るんじゃないの?」

「まぁ、そうだろうけど…実際のところ保険でしょ?あの人気持ち悪いけど結構な戦力なんだし」

1度は綱吉君達と戦ってその強さはわかりきってることだからね。

姉「霧の守護者なんて…私でいいと思うよ」

「ええ?お姉ちゃんどっちかっていうと雲っぽいけど」

姉「は?雲雀と同じとかやだよ?」

「ふふ、そうだね」

そんなことになったら真っ先にお姉ちゃんのこと倒しちゃうかもしれないもん💕

姉「主人公の名前姉は…風かな」

「風?」

姉「守護者にはないけど、なんか…ふわっとした感じとか、すぐに消えちゃうところとか似てるよ」

「うっ…」

痛いところ突いてくるなぁお姉ちゃん。
…確か、小学生の頃はよくいろんなところに行ってて家に帰ってこなかったことなんてよくあることだったなー。

…なんだか懐かしい。

姉「さて、着いたようだねぇ」

「え、もう?」

昔話をしている間に黒曜ランドに着いちゃったみたいです。

広い森の中にひっそりと佇む廃墟同然の建物。
元は黒曜ヘルシーランドというテーマパークだったらしいのですが、まぁ年代と共に老朽化が進んだのでしょう。
その建物がいつしかあの人達の住処となり、黒曜ランドができたというわけです。
…一応嫌いでも調べはしたんですよ。

姉「ごめんくださーい」

「え、ちょ、その言い方wwww」

?「誰ですか」

「!」

廃墟の中から出てきた、この建物の主。
まさか…直々に出てきてくれるとは。

姉「六道骸いますかー」

骸「僕ですが」

六道骸。
元ネストラーネオファミリーで人体実験させられていた男で、右目に六道スキルを持っている。

姉「わー、ほんと漫画で見たとおり」

骸「?君達は…」

「苗字主人公の名前です。こちらは姉の姉の名前」

骸「ほぅ…その姉妹さんが、こんな廃墟に何のご用でしょうか?」

意地の悪い笑みを浮かべながら微笑む六道骸。
あぁ……もうほんと、むかつく。

「リボーン君から頼まれました。明晩のリング戦、確実に出場してください」

骸「クフフ…釘を刺しておくなんて、アルコバレーノも悪ですねぇ」

姉「あんたも人のこと言えないんじゃない?」

骸「おや、僕になにか?」

姉「ツナ君に内緒で、父親と取り引きしてまで霧の守護者になるなんて…よっぽど美味しい取り引きしたんでしょ?」

骸「……なにもかも知っているんですね」

姉「まぁね」

私のお姉ちゃんは予知能力も持っているから、知らないことなんてない。
ましてや漫画で読んだこともある状態なんて尚更。

「そういうことなので、よろしくお願いしますね。六道さん」

骸「…えぇ、わかっていますよ」

姉「じゃーねー、むくろん!」

骸「えぇ」

リボーン君の言いつけで、六道骸に釘を刺したので足早にヘルシーランドを出る私とお姉ちゃん。
あんなとこに何時間もいられない。

姉「主人公の名前姉、待ってよー」

「………」

沢田家に戻っている途中、お姉ちゃんが後ろから何度か私を呼んでたけど、全く気にすることなく歩いていた。

お姉ちゃんの声も届かないほど、私はイライラしていたから。

沢田家ー

姉「ただいまー」

「………」

リ「お、早かったな」

ツ「おかえり!大丈夫だった?」

姉「あー……まぁ、なんとか」

ツ「え?」

姉「一部大丈夫じゃなかった、みたいな」

リ「主人公の名前か」

姉「はい」

「…………」

気持ち悪かった。
あんなパイナップルみたいな人と会話できた私は相当成長してるみたいだ。

リ「主人公の名前、あいつもお前と似たような人生を送ってきたんだ。そんなに嫌ってやるな」

「…わかってます。なんとなく、わかってたんです。あの人と私の共通点」

漫画で見ても、アニメで見ても、六道骸と私の共通点なんていくらでも見つかった。

分かり合えるところなんていくらでも見つかるのに、私はそれを恐怖に感じていた。

「私とあの人は似てる。似てるけど、それを認めたくなかった」

姉「認めると好きになっちゃいそうで怖いから、でしょ?」

「っ、お姉ちゃん!」

ほんと、お姉ちゃんはなんでもわかっちゃうから嫌だ。
きっと六道骸よりも怖い存在なのかもしれない。

姉「大丈夫だよ。いつか、認める日がくるから」

「…それまでに、自分の気持ち整理しとかないとね」

姉「うん!」

リ「そういうこったな」

ツ「??」

「ふふっ」



拝啓、六道骸様へ。

先日はどうもすみませんでした。
あなたを嫌いなあまり失礼な態度をとってしまったかもしれません。
私、あのときあなたに言えなかったことがあるので手紙を通して伝えさせて頂きます。

あなたは私と同じです。
生き方も、考え方も、何もかも。
だから嫌いなのかもしれない。

でも、あなたは私よりも辛く苦しい人生を送ってきた人。
これから、もっと困難なことがあるかもしれない人。

私はそんなあなたを見て、いまよりもっと強くならなきゃいけない。

明日のリング戦。
霧の守護者対決で、あなたの本物の力を…見せてもらえることを願っています。


苗字主人公の名前より


骸「クフフ…妙な子達もいるものですね」

犬「んあ?骸しゃん、なんか楽しそうれすね?」

骸「楽しそう…?…そうですね、めんどくさそうなリング戦も、なんだか楽しみに思えてきましたよ」

千「先日来た姉妹ですか」

骸「妹の方なんですがね…クフフ…」


苗字主人公の名前。
僕も、あなたの本物の力を拝見できること楽しみにお待ちしておりますよ。



骸「Siamo interessati a te♪」


ーあなたに興味があります。



Fin*°

11.3


ATOGAKI゜:。* ゜.
黒曜編を全くやってなかったのでショートストーリーでやってみましたw
本当は好きなんだけど、それを認めたくなくて嫌ってるみたいな感じの少女漫画を読んだので実践してみた結果がこれですww
なんとも駄作すぎる……!!
とりあえず黒曜トリオは好きですよ。
犬が可愛くて好きですww

読んでくださりありがとうございます😳💕

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