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※
side:副会長
何もかも失くしたかれは、
なにもかも奪われて、
それでもなお
その瞳の中の光が
陰ることはない
久しぶりに会った彼は
飄々とした態度は変わらず
その瞳の色も褪せていなかった
腹が立つ
この私を見下すような、憐れむ視線が
「そんなことして楽しいの?くだらない。
俺、もう欲しいもの全部もってるから、全部あんたにあげる。」
だから、もう放っておいて。
と颯爽と俺の前からいなくなった君。
決して美しい造作の顔ではないのに、笑った顔はまぶしいくらいで。
私が辿りつけっこない、その場所で
今も君は笑っているのか。
許せない。
引き摺り下ろしてやる。
待っていろ。
彼が走っていく後ろ姿を眺めながら、私は口をゆがめた。
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