sub 文化祭3 俺が友人へのしょーもない嫉妬心に思い悩みながら教室へ帰っている間、凌と大地はどうやって客を呼ぶかの作戦を立てているようだった。 「やっぱさ、目立ったほうがいいと思うんだよね。いくら俺たちがイケメンだからってさ。なんか着ぐるみとかあったらいいんだけど、そんなもん借りる予算ねーしなー。」 冗談か本気かわからない発言を混ぜ込みながら話す大地の話を凌は楽しそうに聞いている。 その顔を見ていると、自分の胸のモヤモヤなど取るに足りないことのように思えてくるから不思議だ。 教室に戻ると大して重要な準備もないためか、先ほどより人数が減っている。 「しの、今日はもう帰ろうか」 と言うと、教室にいずらいのか凌も同意した。 その日は結局そのほかの問題が起こることなく終わったが、凌の怪しい行動は翌日から再開された。 放課後になり皆がそれぞれ文化祭の準備をしたり、ぐだぐだとしゃべったりして過ごしているなか、気がつけば凌はいないのだ。 鞄も置き去りであるし、学校にいるのは確かなので携帯で連絡するもののつながらない。念のため鞄に手を触れてみると、規則正しい振動が伝わってくる。 携帯電話は携帯しろと注意しなければ。 結局凌が戻ってきたのは1時間後であったが、凌の雰囲気が柔らかいのを感じ、言及しないことにした。 一応残ってはいるが、放課後凌にしてもらいたい文化祭の準備があるわけではないし、と勝手にさせておこうと思い、帰ろうと声をかけた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |