藤澤学園 3 そう言ってから、バッとバッチを奪う。 祐介先輩は何をしているんだという顔をした後に、俺の胸元を見る。 「…まさか、鬼!?」 きっと俺の胸元を見てバッチがないことに気が付いたのであろう、祐介先輩は慌てだした。 「ちょ、バッチ返せ!」 何て無茶苦茶な注文だと思い、溜息をつく。 「先輩、バッチを取られたら大人しく講堂に帰らなきゃいけないルールですよ」 「だって生徒会役員はバッチ取られたら罰ゲームみたいなのがあるんだよ!」 「罰ゲーム?」 「バッチを取った奴の願い事を1つ叶えること」 必死の形相でそう言われて、へぇとだけ答える。 「へぇじゃねぇだろうが!バッチをか・え・せ!」 どうしようかと思っているうちに、鬼ごっこ終了を告げる放送が流れる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |