not王道but王道 10〜悠side〜 別室に入るなり純さんに壁際まで追い詰められる。 「おい副会長、何だあの神がかった男前美人は」 「高崎燐斗君ですよ」 困惑しつつも厳しい顔をした寮長に苦笑交じりに答える。 「そういう事をきいてるんじゃねぇ。 会長副会長に負けず劣らずな顔、人受けの良い性格。会長より遥かに礼儀正しく自分の立場をしっかりと理解した上での行動。しかしながら芯の通っていてごく稀に出る…いや、"滲み出る"絶対的王者のオーラ」 純さんが完全に寮長の顔を脱ぎ捨てる。 「あいつ、夜の奴だな?それも相当強い。あのクラスなら…いやでもそれはあり得ねぇあいつは公立のはず」 「相変わらず素晴らしい観察眼に情報量ですね」 「茶化すな。…悠答えろ、あいつは何だ」 真剣な顔で、副会長ではなく"悠"と呼んでくる。純さんになら隠す必要は無い気がしてきた。 「彼は」 息を吸い込む。 「彼は寮長の想ぞ 'コンコン' …」 〜side end〜 [←読むのを止める][→先に進む] [戻る] |