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私立桜華男子高等学校
9
もっと子供の頃父親から虐待を受けていたためちょっとした物音で起きるようになった俺の身体。

「今日はゆっくり休みなよ。俺も風邪っつつて休んだから。
・・・それに、父さんはここにはいないからさ」

「!!」

「寝言で"父さん"って何回も苦しそうに言ってた」

「・・・」

「もう大丈夫だよ、俺も奏も。父さんとは一緒に暮らしたかったけどやっぱり無理だったろうね」

「・・・」

楓の言葉が突き刺さる。
俺も一緒に暮らしたかった、なんて
言えない。

「もう一回寝なよ。俺飯作ってるからさ。
シチュー作る。メッチャうまいの。
楽しみにしてて?」

「ありがとう」

「うん、だって奏のためだもん」

ニコニコして楓は寝室を出て行った。
俺はゆっくり瞼を閉じた。







〈帰ります〉〈様子を見てみます〉

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